浄土真宗本願寺派
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/29 19:22 UTC 版)
直轄寺院
- 築地本願寺(旧・築地別院)- 東京都中央区築地三丁目15-1 (2012年4月新基本法規施行に伴い、首都圏特区(東京、神奈川、千葉、埼玉)の伝道強化の中心道場として設置。住職は門主。事務執行機関、宗務長 1人、副宗務長 2人で構成)
直属寺院
別院・教堂
本山直属寺院を別院・教堂という。直属寺院は、地方における教義弘通の中心道場であり、門主が住職である。別院には輪番、教堂には主管が置かれ、輪番又は主管が別院・教堂における寺務の平常の運営を主管する。宗教法人たる別院・教堂の場合は、通常、輪番又は主管が代表役員となる。また、近隣の複数の直属寺院の輪番・主管を兼務する場合も少なからずある。
本山の直属ではあるが別法人である場合、財政的には独立採算であるため、近年は門徒数の減少などから財政困窮により廃寺寸前の教堂も少なくない。歴史的経緯などから東北地方は仙台、関東地方は東京(現在は直轄寺院・築地本願寺に転換)にのみ存在するのに対し、北陸地方・中部地方以西の西日本はほぼ全府県にある。
なお、かつては会館と呼ばれていたところも多くあったが、直属寺院に会館の規定がないため、ほとんどが教堂に改称されている。現在、会館という名称であるのは高岡会館と顕道会館の2つである。本項では会館もあわせて以下に列挙する。
- 札幌別院 - 札幌市中央区北3条西19丁目2-1
- 江差別院 - 桧山郡江差町本町212
- 帯広別院 - 帯広市東3条南5丁目3
- 小樽別院 - 小樽市若松町1丁目4-17
- 函館別院 - 函館市東川町12-12
- 仙台別院 - 仙台市青葉区支倉町1-27
- 長野別院 - 長野市西後町1653
- 松本別院 - 松本市蟻ヶ崎四丁目4-10
- 国府別院 - 新潟県上越市国府一丁目7-1、親鸞配流地。
- 新潟別院 - 長岡市与板町与板乙4356
- 富山別院 - 富山市総曲輪二丁目7-12
- 井波別院 - 富山県南砺市井波町畠方2955
- 福光教堂 - 富山県南砺市福光974-2
- 高岡会館 - 高岡市東上関446
- 金沢別院 - 金沢市笠市町2-47
- 福井別院 - 福井市松本四丁目9-21
- 吉崎別院 - 福井県あわら市吉崎一丁目201。吉崎御坊。
- 円陵教堂 - 福井県坂井市丸岡町谷町二丁目25
- 岐阜別院 - 岐阜市西野町三丁目1
- 笠松別院 - 羽島郡笠松町柳原町100-3
- 池野教堂 - 揖斐郡池田町六之井1808-1
- 名古屋別院 - 名古屋市中区門前町1-23
- 三河別院 - 岡崎市十王町一丁目25
- 八幡別院 - 滋賀県近江八幡市北元町39-1
- 赤野井別院 - 守山市赤野井町326
- 近松別院 - 大津市札の辻4-26
- 長浜別院 - 長浜市南呉服町13-31
- 八日市教堂 - 東近江市八日市町9-16
- 顕道会館 - 京都市下京区油小路通花屋町上ル西若松町248
- 山科別院 - 京都市山科区東野狐藪町2。山科本願寺跡地。
- 西山別院 - 京都市西京区川島北裏町29。覚祖廟(覚如上人御廟)、得度習礼所・教師教修所が設置されている。
- 北山別院 - 京都市左京区一乗寺薬師堂町29。親鸞聖人御旧跡。
- 至心教堂 - 京都市下京区東中筋通六条下ル学林町303-1。本願寺国際センター(寺院活動支援部〈国際伝道担当〉)併設。
- 奈良教堂 - 奈良市七条一丁目11-4
- 津村別院(北御堂) - 大阪市中央区本町四丁目1-3、御堂筋の由来の一つ。
- 堺別院 - 堺市堺区神明町東三丁1-10
- 尾崎別院 - 阪南市尾崎町二丁目8-19
- 鷺森別院 - 和歌山市鷺森1
- 日高別院 - 御坊市御坊100
- 神戸別院 - 神戸市中央区下山手通八丁目1-1、モダン寺。
- 山陰教堂 - 松江市大正町443-1
- 備後教堂 - 福山市東町二丁目4-5
- 広島別院 - 広島市中区寺町1-19
- 山口別院 - 山口市小郡花園町3-7
- 塩屋別院 - 丸亀市塩屋町四丁目6-1
- 高知別院 - 高知市追手筋一丁目7-4
- 鎮西別院 - 北九州市門司区別院6-1
- 門司教堂 - 北九州市門司区庄司町4-3
- 福岡教堂 - 福岡市中央区黒門3-2
- 大牟田別院 - 大牟田市上町一丁目6-10
- 佐賀教堂 - 佐賀市城内一丁目2-2
- 長崎教堂 - 諌早市新道町50-3
- 熊本別院 - 熊本市坪井二丁目3-32
- 人吉別院 - 人吉市七日町25
- 別府別院 - 別府市北浜三丁目6-36
- 四日市別院 - 宇佐市四日市1410
- 宮崎別院 - 宮崎市柳丸町79-1
- 鹿児島別院 - 鹿児島市東千石町21-38
- 沖縄別院 - 浦添市伊祖五丁目10-1、浦添本願寺。
かつて存在した別院・教堂
- 築地別院 - 東京都中央区築地三丁目15-1 元・江戸日本橋横山町、明暦の大火後に現在地に移転。直轄寺院となり「築地本願寺」と改称(前述)したため、別院ではなくなっている。
- 三条別院 - 新潟県三条市、現在は与板別院と統合して本願寺新潟別院となる。建物は残っておらず、塀と掘られた看板のみ残る。
- 与板別院 - 現在、三条別院と統合し新潟別院に改称。
- 角坊別院 - 京都市右京区山ノ内御堂殿町25、本願寺に吸収合併され、本願寺飛地境内「角坊」となる。
- 黒野別院 - 岐阜県岐阜市黒野404-1、現在は岐阜別院に吸収合併され廃寺。老人福祉施設「黒野あそか苑」が建てられている。同施設建設にあたっては補助金不正受給で逮捕者も出した。
- 伊勢教堂 - 三重県伊勢市倭町49-1、2020年、一般寺院化。浄明寺と号する。
- 金亀教堂 - 滋賀県彦根市中央町3番46号
- 豊岡教堂 - 兵庫県豊岡市中央町15-22
- 江並教堂 - 岡山県岡山市中区江並132-3
- 新見教堂 - 岡山県新見市新見字水船屋775。(2009年に法人解散)
- 岩国教堂 - 山口県岩国市川西。萩別院や山口会館と統合し山口別院を新設。現在は建物はなく、跡地は川西第三街区公園となっている。入口の石灯明のみが残る。
- 萩別院 - 萩市西田町、1980年3月、失火により建物を全焼。岩国教堂や山口会館と統合し、山口別院となり、現在は山口別院萩支院として境内地に萩幼稚園が建つ。
- 四恩教堂 - 香川県木田郡三木町大字井戸4108-6、廃寺。
- 徳島教堂 - 徳島市富田浜一丁目36。廃寺。
- 高松教堂 - 高松市東田町6-1、塩屋別院に吸収合併され、塩屋別院高松会館となる。
- 道後教堂 - 松山市道後緑台9-43、塩屋別院に吸収合併され、塩屋別院道後会館となる。
- 比田勝教堂 - 長崎県対馬市上対馬町比田勝869。一般寺院化し、勝蓮寺と号する。
- 藤山教堂 - 大分県日田市花月藤山町36、十二町にある新治会館とともに別府別院の布教所となるも廃寺。
戦前に存在した別院・教堂
- 台湾別院 - 台北市新起町1-1、廃寺。鐘楼堂跡、輪番詰所など現存。
- 鹿港別院 - 台中州彰化郡鹿港街。元鹿港龍山寺が加盟し、戦後は再独立。[8]
- 朝鮮別院 - 京城府若草町、旧称京城別院、廃寺。
- 関東別院 - 大連市若草山、廃寺。
- 上海別院 - 上海市乍浦路471、廃寺。建物の一部は現存。
- 奉天別院 - 奉天市加茂町、廃寺。
- 新京別院 - 新京特別市祝町、廃寺。
- 大泊別院 - 樺太大泊町楠渓町、1945年ポツダム宣言受諾後、廃寺。
- 浦潮本願寺 -ロシア帝国ウラジオストク。 1886年(明治19年)初めての海外布教所として開設。1937年ソビエト連邦政府の政策により廃寺。
別格別院
別格別院は第8代蓮如の直系子孫らが開山又は復興し、蓮如の血縁を汲むものが歴代の住職を務めてきた有力寺院。 大谷宗家に準じる連枝として特別の待遇が与えられ、寺院そのものも多くの末寺を抱え、多くが寺域に寺内町を形成するなど本願寺に準じる「中本山」として権力を誇った。
別格別院という名称、規定は明治期のもの。第二次世界大戦後には本末制度が解体され、宗派の被包括寺院として末寺が独立したことで、急速に力を失った。
- 別格別院顕証寺 - 八尾市久宝寺、久宝寺御坊
- 別格別院本徳寺 - 姫路市亀山、亀山御坊
- 別格別院本善寺 - 吉野郡吉野町飯貝、飯貝御坊
- 別格別院本照寺 - 高槻市富田、富田御坊
- 別格別院明照寺 - 彦根市平田町、妙法山明照寺
- 別格別院徳応寺 - 現在の井波別院
- 別格別院福田寺 - 米原市長沢、長沢御坊
- 別格別院善福寺 - 神戸市長田、一乗山善福寺
- 別格別院超勝寺 - 福井市東藤島、西超勝寺(東超勝寺は真宗大谷派寺院)
別荘
- 三夜荘(京都市伏見区):かつて巨椋池のほとりにあった門主の別荘[9]
一般寺院
現在、本願寺派では本山、直轄寺院、直属寺院以外について末寺とは言わず、一般寺院と称する。詳細は浄土真宗本願寺派の寺院を参照。
- ^ 文化庁編『宗教年鑑』平成7年版、p.110(126/161)「第3部 宗教団体一覧 1 文部大臣所轄包括宗教法人一覧」(PDF)。
- ^ 被包括宗教団体数は、別院含む寺院の他、教会などを含んだ宗教団体(宗教法人を含む)の総数である。平成26年12月31日現在、寺院10,206(うち宗教法人10,185)、教会8(うち宗教法人2)、布教所2(うち宗教法人0)、その他94(うち宗教法人71)である。(文化庁編『宗教年鑑』平成27年版、pp.72-73(86/212)。 を参照。)
- ^ 2014年12月31日現在の浄土真宗本願寺派の信者数は、7,926,894人。(文化庁編『宗教年鑑』平成27年版、pp.72-73(86/212)。 を参照。)
- ^ 2014年12月31日現在の神社本庁の信者数は、79,770,411人。(文化庁編『宗教年鑑』平成27年版、pp.54-55(68/212)。 を参照。)
- ^ “浄土真宗の教え|み教えについて|本願寺(西本願寺)”. HONGWANJI. 2011年10月20日閲覧。
- ^ “本願寺出版社 > ダウンロード > 新「浄土真宗の教章」” (PDF). HONGWANJI PUBLISHING. 2011年10月20日閲覧。
- ^ “本願寺の歴史|知る|お西さん(西本願寺)”. 龍谷山本願寺(西本願寺). 2020年10月20日閲覧。
- ^ 鹿港龍山寺、本寺簡介>龍山寺歷代主持
- ^ 伏見「三夜荘」解体へ、木戸孝允ら名士滞在
- ^ “【焦点】浄土真宗本願寺派、教務所長兼務を来月開始 総局「財政正常化の一環」 まず石川福井教区、教化伝道の活性化期待 財政効果に疑問の声 別院、教化面に課題”. 中外日報 (2022年4月3日). 2022年4月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年4月3日閲覧。
- ^ “京都市内科|【あそか花屋町クリニック】|一般財団法人本願寺ビハーラ医療福祉会”. asoka-clinic.jp. 2021年5月29日閲覧。2021(令和3)年6月1日に移転改称。
- ^ “戦禍のなかの僧侶たち〜浄土真宗本願寺派と戦争〜”. NHK (2022年8月20日). 2022年8月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年8月21日閲覧。
固有名詞の分類
- 浄土真宗本願寺派のページへのリンク