暗黙知 応用

暗黙知

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/31 14:07 UTC 版)

応用

SECIモデル。

イエール大学の心理学者スタンバーグらは、優れた業績を上げている管理職の経験から得られた知識をまとめてきており、3種類の暗黙知が得られている[10]プロジェクトマネジメント、また他者についてチームワークや人間関係作り、また自己管理で動機づけとなる[10]。この3種類の暗黙知は営業職や、研究職でも使われているものである[10]

熟練者の暗黙知の機械化やマニュアル化も進んできた[10]。しかし、経験や実践を通さないとマニュアルを読んだだけではすぐには身につかないため、経験をいかに織り交ぜて暗黙知をも継承していくかについて重要な課題となっている[10]

野中郁次郎らが提唱したSECIモデル[11]は、暗黙知と形式知が組織の中でどのように共有され、新しい知識の創造に結びつくのかを説明するモデルで、共同化・表出化・連結化・内面化の4つで構成される。徒弟制度やオンザジョブトレーニングなどを通じて、暗黙知を暗黙知のまま経験的に受け継ぐことを「共同化」と呼ぶ[11]。暗黙知は「表出化」によって第三者にも理解できる言葉(形式知)に変換されると組織で共有されやすくなる[11]。集団に共有された形式知は「連結化」によって体系化され、結びつくことで新たな知識やイノベーションを生み出すことに寄与する[11]。連結化によって生み出された新たな形式知は再び個々の人に暗黙知として「内面化」される[11]。暗黙知は共有されにくい知識であるため、暗黙知を形式知化する「表出化」がSECIモデルで特に重要視される[11]


  1. ^ 例えばある一定以上の速さで自転車を右に旋回させるには、実はハンドルを左にも切る必要がある。また右旋回から直進状態に戻すためにも、ハンドルを左のほか右にも切る必要がある。これらの運転技術は自転車のバランスを取るために要求されるが、ふつう意識されることはない。
  1. ^ a b 大崎正瑠、「暗黙知を理解する」 人文自然科学論集 2009年 127巻 p.21-39, hdl:11150/500, NAID 110007097652
  2. ^ a b c d e 藤波努、北陸先端科学技術大学院大学知識科学研究科「経験知 暗黙知」 『ナレッジサイエンス―知を再編する64のキーワード』紀伊國屋書店、2002年。ISBN 4-314-10153-9https://www.kousakusha.com/ks/ks-t/ks-t-2-21.html 
  3. ^ a b 山縣裕「もの作りにおける日本の競争力と暗黙知」『まてりあ』第38巻第7号、1999年、 581-585頁、 doi:10.2320/materia.38.581NAID 130004352123
  4. ^ 堀雄紀「暗黙の知を再び語ることの意義 --身体技法の伝承場面を手がかりに--」『京都大学大学院教育学研究科紀要』第64号、京都大学大学院教育学研究科、2018年、 359-371頁、 ISSN 1345-2142NAID 120006473799
  5. ^ The Tacit Dimension」、1967年、ISBN 9780226672984
  6. ^ Polanyi, Michael 高橋勇夫訳 (2003(平成15年)-12-10) [1967] (日本語). The Tacit Dimension. ちくま学芸文庫. 筑摩書房. pp. 24. ISBN 4480088164. "暗黙知(: tacit knowing、タシット・ノウイング)という行為においては、あるものへと注目する(: attend to)ため、ほかのあるものから注目する(: attend from)(中略)我々が語ることができない知識をもつというときには、それは近接的項目についての知識を意味している" 
  7. ^ 松岡正剛の千夜千冊 マイケル・ポランニー 『暗黙知の次元』 第千四十二夜【1042】2005年5月30日
  8. ^ Giulio Angioni, Doing, Thinkink, Saying, in Sanga & Ortalli (eds.) , Nature Knowledge, Berghahm Books, New York-Oxford, 2004, 249-261
  9. ^ Michael Polanyi (1958). Personal Knowlege: Towards a Post-Critical Philosophy. University of Chicago Press 
  10. ^ a b c d e 楠見孝「ホワイトカラーにおける暗黙知とその継承」『Global Edge』第13号、2008年、 12-13頁。
  11. ^ a b c d e f Nonaka, Ikujirō, 1935-; 野中郁次郎, 1935-. Chishiki sōzō kigyō : the knowledge-creating company. 竹内弘高, 梅本勝博,. 東京: 東洋経済新報社. ISBN 978-4-492-91714-5. OCLC 905013442. https://www.worldcat.org/oclc/905013442 


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