SECIモデルとは? わかりやすく解説

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SECIモデル

「SECIモデル」とは、野中郁次郎氏が提案した知識創造モデルである。「SECIモデル」「暗黙知」と「形式知」のスパイラルを創り出す知識移転プロセス表したのである
「SECIモデル」は、
共同化」(暗黙知暗黙知へ)
→「表出化」(暗黙知形式知へ)
→「統合化」(形式知形式知へ)
→「内面化」(形式知暗黙知へ)
→「共同化
という知の移転プロセス螺旋状行き来しながら創造され、はじめの「共同化」へ戻り絶えずこのサイクル繰り返していくモデルである。

SECIモデル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/12 14:44 UTC 版)

SECIモデル(: SECI Model)は、暗黙知形式知の相互変換を通じて組織的知識創造を説明する理論モデルである。SECIモデルは、知識創造の4つの次元(Socialization、Externalization、Combination、Internalization)の頭文字を取って名付けられた。

概要

1990年野中郁次郎によって開発され[1]、後に竹内弘高との共同研究によってさらに発展されたものである[2]。このモデルの基盤となる考え方は、マイケル・ポランニー暗黙知の概念に大きく影響を受けている[2]

野中と竹内は、日本企業競争力の源泉を探る中で、欧米の企業と比較して日本企業が持つ独特の知識創造プロセスに着目した。彼らは、日本企業が暗黙知を効果的に活用し、それを形式知に変換する能力に優れていることを見出した。この洞察から、彼らは知識創造を暗黙知と形式知の相互作用として捉え、その過程を体系化したのがSECIモデルである。

知識変換の4つのモード

SECI model of knowledge dimensions

SECIモデルは、暗黙知と形式知の相互作用によって知識が創造されるという前提に基づいている。このモデルでは、4つの知識変換モードが提示されている。これら4つの知識変換モードは、螺旋状の知識創造プロセスを形成する。知識創造は継続的なプロセスであり、この螺旋は4つのモードを通じて絶えず進化する。

共同化(Socialization、暗黙知から暗黙知へ)

直接的な経験共有を通じて暗黙知を伝達するプロセス。具体的には、観察模倣実践対話などの方法が用いられる。例えば、徒弟制度OJT、インフォーマルな会話などがこれに該当する。共同化では、言語による伝達よりも、共に時間を過ごし、同じ環境で経験を共有することが重要である。

表出化(Externalization、暗黙知から形式知へ)

暗黙知を明確なコンセプトに変換するプロセス。このプロセスでは、メタファーアナロジー概念仮説、モデルなどが用いられる。例えば、製品開発におけるコンセプト作り、ブレインストーミング、創造的な対話などがこれに該当する。表出化は、新しい明示的な概念を生み出す重要な段階である。

連結化(Combination、形式知から形式知へ)

既存の形式知を組み合わせて新たな形式知を創造するプロセス。文書会議電話コンピュータネットワークなどのメディアが活用される。例えば、データベースの構築、報告書の作成、マニュアルの編集などがこれに該当する。連結化は、組織全体の知識システムを再構成する役割を果たす。

内面化(Internalization、形式知から暗黙知へ)

形式知を暗黙知に変換するプロセス。このプロセスでは、実践による学習が重要な役割を果たす。例えば、マニュアルを読んで実践する、シミュレーションやロールプレイングを行うなどがこれに該当する。内面化を通じて、個人は組織の知識を自分のものとし、さらなる共同化の前提となる新たな暗黙知を蓄積する。

脚注

  1. ^ Nonaka, Ikujirō (1990). Chishiki sōzō no keiei: Nihon kigyō no episutemorogī = A theory of organizational knowledge creation (1-han ed.). Tōkyō: Nihon Keizai Shinbunsha. ISBN 978-4-532-07514-9 
  2. ^ a b Nonaka, Ikujiro; Takeuchi, Hirotaka (1995-05-18) (英語). The Knowledge-Creating Company: How Japanese Companies Create the Dynamics of Innovation. Oxford University Press. doi:10.1093/oso/9780195092691.001.0001. ISBN 978-0-19-770322-9. https://academic.oup.com/book/52097 

関連項目

脚注


SECIモデル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/07 03:58 UTC 版)

ナレッジマネジメント」の記事における「SECIモデル」の解説

個人知識組織的に共有し、より高次知識生み出すということ主眼置いたナレッジマネジメント実現する場合、そのフレームワークとして以下の4段階のプロセス提示されている。このプロセスは、各段階英語名称頭文字をとって“SECI(セキプロセス”、あるいは単に“SECI(セキ)”と呼ばれる。これは野中郁次郎一橋大学 名誉教授)と竹内弘高ハーバード大学ビジネススクール 教授一橋大学 名誉教授)が執筆したThe Knowledge Creating Company(『知識創造企業梅本勝博訳、東洋経済新報社)において、提唱された。知識とは「正当化され真な信念 (Justified true belief)」であり、個人個人相互作用、あるいは組織組織相互作用により、ダイナミックに変化深化進化していくものであるという考えの下に構築されている。 共同化Socialization)とは、組織内個人、または小グループでの暗黙知共有、およびそれを基にした新たな暗黙知創造である。 表出化(Externalization)とは、各個人、小グループ有する暗黙知形式知として洗い出すこと。 結合化(Combination)とは、洗い出され形式知組み合わせ、それを基に新たな知識創造することである。 内面化Internalization)とは、新たに創造され知識組織広め新たな暗黙知として習得することである。

※この「SECIモデル」の解説は、「ナレッジマネジメント」の解説の一部です。
「SECIモデル」を含む「ナレッジマネジメント」の記事については、「ナレッジマネジメント」の概要を参照ください。

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