低体温症 統計

低体温症

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/06 23:13 UTC 版)

統計

日本の凍死者は2010年以降、年間1,000人を超える規模となっている。冬山登山などの極端なケースは少なく、大半は高齢者が室内で低体温症になり死に至るケースが多いことが特徴[17]

参考文献

関連項目

外部リンク


注釈

  1. ^ 登山の世界においては、低体温症による死亡を「疲労凍死」とも呼ばれている。これは八甲田雪中行軍遭難事件板倉勝宣加藤文太郎ら著名登山家の遭難死の様子から定着したものと推定されるが、真冬の冬山で発生する現象と誤認を招く恐れがある表現でもある(トムラウシ山遭難事故調査特別委員会「トムラウシ山遭難事故報告書」P56・64-65.)。
  2. ^ 死亡診断の権限は原則として医師・歯科医師以外の者にはないが、消防機関の救急業務規程で、所定要件を満たして「明らかに死亡」と判断される傷病者は救急隊の不搬送が容認されている。
  3. ^ 2005年2月20日、北海道北見市豊地 無加川の堤防の水門近くで、女性(27)が雪をかぶって倒れているのを通行人が発見、110番通報した。警察署から連絡を受けた救急隊員は、意識・脈拍・呼吸・瞳孔反応が確認できず死後硬直が始まっているとして、警察署員に引き渡し、女性は遺体安置室へ搬送された。発見から約1時間半後に行われた検視の際、鼻に近づけた糸くずが微かに呼吸で動き、脱衣させて胸に手と耳を当てたところ鼓動が確認されたため、意識不明の重体と改め病院へ搬送された。なお、女性の自宅からは遺書が見つかっており、自殺未遂だったと見られる。…(毎日新聞2005年2月20日「<女性蘇生>遺体安置室で生存判明 女性は意識不明の重体」、産経新聞2005年2月21日「「死亡」実は「生存」 北海道 雪中、脈・呼吸なく硬直 厳寒、判断基準にズレ?」)
  4. ^ 2010年2月10日、埼玉県さいたま市のゲートボール場で布団にくるまって倒れている男性(51)が発見され、勤務経験がそれぞれ12年と20年あるベテランの救急隊員および隊長は、呼吸や脈拍の十分な確認を怠ったまま、身体の冷温や硬直から死亡と判断。男性は県警の検視室で目を覚まし、病院に搬送されたが、命に別条はなかった。…(時事通信2010年2月10日「生存男性を死亡と判断=警察署検視室で目覚ます−さいたま市消防」)
  5. ^ 2010年12月14日午前、山口県岩国市で「一人暮らしの高齢男性(83)が自宅で倒れており反応がない」と近所の人から119番通報があり、到着した救急隊員が死亡と判断。搬送せず現場を引き揚げ、検視に来た警察署員の指摘で生存が判明して、救急車を再出動させた。男性は低体温症と診断され病院で治療を受けたが、意識不明のまま回復せず、15日夜に死亡した。これを受け、消防本部は、死亡徴候の確認には心電図など機器の使用を徹底するよう、全隊員へ通達を出した。…(時事通信2010年12月16日「生きているのに死亡と誤判断=救急隊引き揚げ、検視で判明―山口」、読売新聞2010年12月16日「救急隊員が死亡と判断、警察官の検視で腹動く」)

出典

  1. ^ Marx, John (2006). Rosen's emergency medicine: concepts and clinical practice. Mosby/Elsevier. p. 2239. ISBN 978-0-323-02845-5
  2. ^ Karakitsos D, Karabinis A (September 2008). "Hypothermia therapy after traumatic brain injury in children". N. Engl. J. Med. 359 (11): 1179–80. doi:10.1056/NEJMc081418. PMID 18788094
  3. ^ a b Axelrod YK, Diringer MN (May 2008). "Temperature management in acute neurologic disorders". Neurol. Clin. 26 (2): 585–603, xi. doi:10.1016/j.ncl.2008.02.005. PMID 18514828
  4. ^ a b Laupland KB (July 2009). “Fever in the critically ill medical patient”. Crit. Care Med. 37 (7 Suppl): S273–8. doi:10.1097/CCM.0b013e3181aa6117. PMID 19535958. 
  5. ^ Grunau BE, Wiens MO, Brubacher JR (September 2010). "Dantrolene in the treatment of MDMA-related hyperpyrexia: a systematic review". CJEM. 12 (5): 435–442. PMID 20880437. Dantrolene may also be associated with improved survival and reduced complications, especially in patients with extreme (≥ 42°C) or severe (≥ 40°C) hyperpyrexia
  6. ^ Sharma HS, ed. (2007). Neurobiology of Hyperthermia (1st ed.). Elsevier. pp. 175–177, 485. ISBN 9780080549996. 2016年11月19日閲覧Despite the myriad of complications associated with heat illness, an elevation of core temperature above 41.0°C (often referred to as fever or hyperpyrexia) is the most widely recognized symptom of this syndrome.
  7. ^ a b c 低体温症 - 22. 外傷と中毒 MSDマニュアル プロフェッショナル版
  8. ^ a b c d e f g h i 低体温症 (PDF) 松山赤十字病院救急部カンファレンス 2013(H25)年2月1日
  9. ^ a b 荒井秀明、二瓶俊一、宮岡亮 ほか、頸髄損傷が誘因となった偶発性低体温症の1例 Journal of UOEH 34巻 (2012) 3号 p.259-264, doi:10.7888/juoeh.34.259
  10. ^ 日本版敗血症診療ガイドライン 2016 日本救急医学会 (PDF)
  11. ^ 2006年6月9日付け読売記事
  12. ^ Resuscitation. 2011 Jun;82(6):790-1.
  13. ^ 平山晃康、片山容一、脳保護のための術中低体温療法 脳神経外科ジャーナル 7巻 (1998) 3号 p.163-169, doi:10.7887/jcns.7.163
  14. ^ 川村伸悟、くも膜下出血重症例に対する軽度低体温療法 脳卒中 22巻 (2000) 3号 p. 451,doi:10.3995/jstroke.22.451
  15. ^ 山田憲明、林靖之、澤野宏隆 ほか、Extracorporeal lung assist(ECLA)を用いた急速全身冷却および体温管理が有効であった重症熱中症の1例 日本集中治療医学会雑誌 16巻 (2009) 1号 p. 101-102,doi:10.3918/jsicm.16.101
  16. ^ 大槻則行、木村清次、根津敦夫 ほか、軽度低体温療法とステロイドパルス療法の併用が効果を示したインフルエンザウイルス関連性急性脳症の2例 脳と発達 32巻 (2000) 4号 p.318-322, doi:10.11251/ojjscn1969.32.318
  17. ^ 凍死、熱中症死の1.5倍 冬の寒さ 屋内でも要注意 東京新聞(2018年2月3日)2018年2月4日閲覧






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