ルクランシェ電池とは? わかりやすく解説

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ルクランシェ‐でんち【ルクランシェ電池】

読み方:るくらんしぇでんち

炭素棒を正極亜鉛棒を負極塩化アンモニウム電解液とし、減極剤二酸化マンガン用いた電池起電力1.5ボルト1868年フランスルクランシェ(G.Leclanché)が発明乾電池はこれを改良したもの。


ルクランシェ電池

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/03 15:28 UTC 版)

ルクランシェ電池のイラスト(1919年)

ルクランシェ電池 (ルクランシェでんち、Leclanché cell) とは、1866年にフランス人科学者のジョルジュ・ルクランシェにより発明・特許取得された電池である。この電池では電解質として塩化アンモニウムカソード正極)として炭素減極剤として二酸化マンガンアノード負極)として亜鉛を用いる。後に、この電池と同じ化学反応を用いて乾電池が製造されるようになった。

歴史

1866年、ジョルジュ・ルクランシェは亜鉛のアノードと二酸化マンガンのカソードを多孔質材料で包んだものを塩化アンモニウム水溶液で満たしたびんに浸した構造の電池を発明した。 二酸化マンガンカソードには電気抵抗を下げるためと電解質のしみこみを良くするために少量の炭素も混ぜられた[1]起電力は 1.4 ボルトであった[2]。電報・信号・電動ベルの用途に急速に普及した。

乾電池型のものが電話線自体からの電力供給が可能になる前の黎明期の電話に用いられた。電話の横の壁に設置された木箱に収められる形が一般的だった。ルクランシェ電池はあまり長い時間電流を維持することができなかったため、通話が長時間に及ぶと電池がなくなり、会話が聞き取れなくなることがあった[3]。これはある化学反応の結果として電池の内部抵抗が上昇し、電圧が落ちてしまうためである。電池の不使用時にはその反応の逆反応が起こるため、断続的な使用ではこのような問題は起こらない[4]

構造

1. ガラス容器 2. 素焼き壺 3. 密閉するためのパテ 4. 炭素電極 5. 亜鉛電極

この電池の原型では素焼きの壺が用いられた。この構造では内部抵抗が高かったため、抵抗を下げるために塊型や袋型などの様々な改良型が製作された。

素焼き壺型
この電池のルクランシェによる原型では減極剤の粉末状二酸化マンガンを素焼き壺につめたものに、カソードとなる炭素棒が挿入された。その壺とともにアノードとなる亜鉛棒が塩化アンモニウム水溶液に浸された。液状の水溶液は素焼き壺を越えて浸透し、電解質としてカソードとアノードを接続した。
塊型
1871年、ルクランシェは素焼き壺の代わりに一対の塊をゴムバンドで炭素板に固定したものを用いる電池を製作した。この塊は二酸化マンガンとつなぎコーンスターチを混ぜたものを型に入れてプレスすることで作成された。
袋型
この型では素焼き壺の代わりにキャンバス地の袋で減極剤が包まれた。加えて、電極の表面積を上げるために亜鉛を棒状のものから円筒状のものに変更している。この型は上記の二つの型(素焼き壺型と塊状型)のどちらよりも低い内部抵抗を達成した。

化学

ルクランシェ電池の電流生成はまずアノード表面の亜鉛原子の酸化から始まる。具体的には、原子から二つの価電子が離脱し原子が陽イオンとなる。

二次電池
電池の種類
他の電池 電池の部分

ルクランシェ電池

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/03/08 15:20 UTC 版)

ジョルジュ・ルクランシェ」の記事における「ルクランシェ電池」の解説

詳細は「ルクランシェ電池」を参照 負極亜鉛の棒、正極二酸化マンガン炭素混合物多孔質容器包んだもの、電解液塩化アンモニウム水溶液とした湿電池で、正極二酸化マンガンにより酸化されて水となるため水ガス発生せず長時間使用が可能となった電池歴史上この発明画期的であり、現在のマンガン乾電池基本構造は同じである。 ルクランシェの元々の設計では劣化する傾向があったが、後の技術者によって改善された。

※この「ルクランシェ電池」の解説は、「ジョルジュ・ルクランシェ」の解説の一部です。
「ルクランシェ電池」を含む「ジョルジュ・ルクランシェ」の記事については、「ジョルジュ・ルクランシェ」の概要を参照ください。

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