Superfluous manとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > Superfluous manの意味・解説 

余計者

(Superfluous man から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/15 13:51 UTC 版)

友人と決闘するオネーギン。レーピン作。

余計者(よけいもの)とは、19世紀ロシア文学にしばしば主人公として登場する人物像のことである。ロシア語ではЛишний человек英語ではSuperfluous Manと訳される。

概要

皇帝アレクサンドル1世(在位1801-1825年)の時代には、西欧自由主義思想が貴族階級を中心に広まり、専制政治農奴制の改革を求める風潮が強まっていった。しかし、1825年に政府打倒を目指したデカブリストの乱が失敗に終わると、新帝ニコライ1世(在位1825-1855年)の苛酷な弾圧が始まる[1]。その結果、有為の青年たちが活動の場を奪われ、その能力をもてあまし、鬱屈しながら生きていくようになったのである[2][3]

貴族階級の青年知識人で、進歩的な思想を身につけ、優れた資質をもちながら、それを社会のために生かせず、決闘恋愛遊戯などの馬鹿げたことに精力を浪費したり、無気力になって屋敷にこもったりするものが現れた[4]

1850年ツルゲーネフの小説『余計者の日記英語版』(ロシア語原題Дневник лишнего человека)によって、この種の人物を「余計者」と呼ぶようになった。この作品は日記形式の一人称小説だが、その3月22日の日記で自分の事を初めてЛишний человекという名称で呼び、続く23日の日記でなぜ自分をそう思うのか語っている。ツルゲーネフは同作品でЛишний человекのほかにсверхштатный человекと言う同じ意味の言葉も使っている[5]

影響

余計者が数多く描かれたのは、当時の社会情勢を反映している。余計者の系譜に連なるのは、グリボエードフ智恵の悲しみ英語版』(1823年)のチャーツキー、プーシキンエヴゲーニイ・オネーギン』(1823-1830年)のオネーギン、レールモントフ現代の英雄』(1839-1840年)のペチョーリン、ゲルツェン誰の罪英語版』(1841-1846年)のベリトフ、ツルゲーネフ『ルージン英語版[6](1856年)のルージン、同じく『貴族の巣英語版』(1859年)のラヴレーツキー、同じく『父と子』(1862年)のバザーロフ、ゴンチャロフオブローモフ』(1859年)のオブローモフなどである[7][8]

脚注

  1. ^ 木村彰一他、1977年、94-96頁。
  2. ^ 佐藤清郎. “余計者”. Yahoo!百科事典(小学館『日本大百科全書』). 2011年3月30日閲覧。
  3. ^ 渡辺雅司「余計者」『集英社 世界文学大事典 5』集英社、1997年、834頁。ISBN 978-4081430055 
  4. ^ 木村彰一他、1977年、110頁。
  5. ^ 164.Лишний человек(余計者)とは何か”. アルザスのこちら側. 2022年9月8日閲覧。
  6. ^ 二葉亭四迷は1897年(明治30年)にこの作品を翻訳したとき、題名を『うき草』にしている。
  7. ^ 木村彰一他、1977年、110頁。
  8. ^ マーク・スローニム、1976年、187頁。

参考文献

外部リンク

  • 余計者 - Yahoo!百科事典(佐藤清郎/小学館『日本大百科全書』)

「Superfluous man」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「Superfluous man」の関連用語

Superfluous manのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



Superfluous manのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの余計者 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS