SOCOM司令官への就任
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「ウィリアム・マクレイヴン」の記事における「SOCOM司令官への就任」の解説
2011年3月1日、ロバート・ゲーツ国防長官(当時)はマイケル・マレン統合参謀本部議長と行った定例記者会見の冒頭で、オバマ大統領に対し、マクレイヴンを退役するエリック・オルソン海軍大将の後任となる第9代特殊作戦軍司令官に推薦したことを発表した。この推薦を受けて、オバマ大統領は同年4月6日付で、マクレイヴンを大将への昇任と併せて次期特殊作戦軍司令官に指名した。 指名を受けて、高級将官人事を管轄する上院軍事委員会は、上院本会議での承認に先立ち6月28日に公聴会を開催した。この公聴会に出席したマクレイヴンは、次期特殊作戦軍司令官の候補者として、前任者となるオルソン大将が目指した毎年ごとの恒常的な人的資源成長率(steady manpower growth rate)を年3%から5%に向上させ、特殊部隊の作戦能力向上・拡充を図ろうとする計画に対して支持を表明するとともに、SOCOMの作戦能力維持・向上を図る上では、SOCOM創設から四半世紀が経過して老朽化が進んでいる特殊作戦用施設について改修や代替施設の新規建設が必要であること、アフガニスタンにおける特殊作戦任務をこれからも実施していく上では、支援任務にあたる固定翼機・回転翼機や情報収集・監視・偵察任務(ISR任務)に充てる無人航空機(UAV)のさらなる導入が必要であることなどを述べた。この公聴会の2日後、6月30日に開かれた上院本会議においてマクレイヴンの大将昇任・SOCOM司令官就任に関する人事案は全会一致で承認され、マクレイヴンの大将昇任とSOCOM司令官就任が決定した。 SOCOM司令官への就任式は、2011年8月8日にSOCOMの司令部があるフロリダ州タンパのマクディール空軍基地で執り行われ、前任者であるオルソン大将に加えてパネッタ国防長官も同席した。海軍(SEALs)出身のSOCOM司令官は、前任者であるオルソン大将に続き2人目である。通常このような司令官交代式では、退任者・就任者はともに非戦闘時の軍服を着用することがほとんどであるが、この時はマクレイヴン・オルソン両大将ともに戦闘時に着用する迷彩服を着用して式典に臨んだ。司令官就任にあたってのスピーチで、マクレイヴンは「私たちは、この素晴らしい国を守るために皆さんが払った犠牲も、皆さんの愛する人が払った究極の犠牲(=生命)も決して忘れることはないだろう。」と述べ、戦死した特殊部隊員に対する哀悼の意を表した。 マクレイヴンの司令官就任後も、SOCOMは引き続き対テロ戦争など各地でのオペレーションで戦果を挙げている。2011年9月にはイエメンにおいて、「アラビア半島のアル・カーイダ」指導者であったアンワル・アウラキを無人機攻撃により殺害することに成功(CIAとの共同作戦)したほか、2012年1月には、ソマリアで武装グループに誘拐・監禁されていた2人の人道支援団体活動家、ジェシカ・ブキャナン(Jessica Buchanan、アメリカ人)とポール・ティステズ(Poul Hagen Thisted、デンマーク人)の救出作戦を実施し、2人の救出に成功するとともに容疑者である海賊9人を殺害している。
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