R2形
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/11 04:08 UTC 版)
「ミュンヘン市電R形電車」の記事における「R2形」の解説
試作車のR1形(R1.1形)の実績を受け、1992年に発注が実施された量産車で、「R2.2形」と呼ばれる事もある。基本的な構造はR1形に準拠しているが、車内や運転台のレイアウト変更、前面の行先表示機のドットマトリクス化、台車の軸配置の変更に伴う脱線の防止、主電動機の出力増加といった一部の設計・機器の変更が行われた。製造企業についてはMANの鉄道車両部門を買収したAEG、そのAEGとABBの鉄道部門が統合したアドトランツと、企業合併による変化が生じている。 車内 車内(更新車両) 営業運転は1995年から始まり、1997年までに発注した全70両の入線が完了した。これにより、老朽化が進んだ旧型3軸車のM形電車が営業運転を終了した。また、翌1998年以降R2形は全車ともアメリカの投資家グループへのリース(クロスボーダー・リース)が行われている。 その後、2009年にミュンヘン市電を運営するミュンヘン交通会社(ドイツ語版)(MVG)は、シーメンスとライプツィヒ交通事業会社(ドイツ語版)(LVB)の合弁会社であるIFTECに対し、R2形の更新工事を委託した。これは長期間の使用に伴う経年劣化が生じた個所の改修と今後15 - 20年間の使用を見据えた延命を兼ねたもので、改造工事はIFTFCが実施した入札を経てフォスロ・キーペ(ドイツ語版)が担当している。主要な改造箇所は以下の通り。 車体塗装の変更。次項で述べるR3形(R3.3形)と同様の、青地に灰色の帯、窓周り黒色という塗装が採用されている。 床面に使用されていた素材の交換。これにより遮音性が向上している。 車内各部に情報案内用のモニターや監視カメラを設置。 運転席に冷房装置を設置。 乗降扉(プラグドア)の形状変更。 車内レイアウトの変更による定員数やフリースペースの面積の増加。ただしその分座席数は減少している。 これらの更新が実施された車両は「R2b形」もしくは「R2.2b形」と呼ばれており、当初計画されていた50両に加えて2015年には5両の追加発注が行われ、前者は2011年から2014年、後者は2015年から2016年まで更新工事が実施されている。 2022年時点でR2形(R2.2形、R2.2b形)は事故で廃車された2両(2122、2141)を除く68両が在籍するが、同年以降の営業運転開始を予定しているTZ形(T4.8形)によって、更新対象から外れた初期車(2101 - 2113)および更新車両の一部が置き換えられる事になっている。 R2形(2105)(2012年撮影) R2形(2107)(2012年撮影) R2形(2149) R2b形(2020年撮影) R2b形(2124)(2017年撮影) R2b形(2143)(2020年撮影)
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