R1形
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/11 04:08 UTC 版)
「ミュンヘン市電R形電車」の記事における「R1形」の解説
1980年代以降、路線規模が縮小傾向にあったミュンヘン市電の存続に向けた動きが高まり、新型車両の導入を含めた近代化が模索されるようになった。その中で1988年、ミュンヘン市議会はドイツの機械メーカーであるMANに対し、超低床電車の試作車3両の発注を実施し、翌1990年にミュンヘン市電における22年ぶりの新造車両として納入が始まった。これがR1形で、「R1.1形」という形式名でも呼ばれた。 R1形は、日本では「ブレーメン形」とも呼ばれる、MANが開発した超低床電車の1形式である。各車体に車軸がない独立車輪方式の台車が設置された3車体連接車で、駆動方式は車体床下端部に搭載された主電動機からスプライン軸とかさ歯車を通して台車に動力を伝達するカルダン駆動方式が採用された。制御装置を始めとした電気機器は、低床構造を実現させるため屋根上に設置された。これらの電気機器は車両によって異なり、2701と2702はシーメンス製、2703はAEG製のものが用いられた。 1991年からミュンヘン市電初の超低床電車として営業運転を開始し、それ以降も実施された各種試験の結果も踏まえ、1992年にミュンヘン市議会は超低床電車の増備を決定した。その後、1995年に機器の故障で2701が運用を離脱し、残る2両についても次項で述べる量産車との構造上の差異から1997年に廃車された。2703については一時ニュルンベルクへ移送されたものの、1999年にスウェーデンのノーショーピング市電(英語版、スウェーデン語版)(ノーショーピング)へ全車とも譲渡され、路面電車の近代化に貢献した。だが、2015年に実施された昇圧(直流600 V→直流750 V)に関して機器が適合しなかったため、同年をもって営業運転を離脱した。
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