(本来の)O型の亜型
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/11 01:59 UTC 版)
「ABO式血液型」の記事における「(本来の)O型の亜型」の解説
元々O型が「ABO遺伝子のうちH物質に糖をつける遺伝子が働かないもの」すべてを指すので遺伝子の配列がかなり違うものが見つかっており、通常の87番目のアミノ酸製造の塩基が1つ抜けているもののほかに、さらに後半部で置換がある亜型と、87番目のアミノ酸はA型やB型と同じだが後半のアミノ酸で塩基の置換が生じてアミノ酸が4つ(176・235・266・268番目)異なっている(厳密には176番目がB型、235・256番目がA型、268番目がどちらとも違う。)亜型も見つかっている。
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O型の亜型(便宜上ボンベイ型・パラボンベイ型も解説)
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「ABO式血液型」の記事における「O型の亜型(便宜上ボンベイ型・パラボンベイ型も解説)」の解説
(本来の)O型の亜型 元々O型が「ABO遺伝子のうちH物質に糖をつける遺伝子が働かないもの」すべてを指すので遺伝子の配列がかなり違うものが見つかっており、通常の87番目のアミノ酸製造の塩基が1つ抜けているもののほかに、さらに後半部で置換がある亜型と、87番目のアミノ酸はA型やB型と同じだが後半のアミノ酸で塩基の置換が生じてアミノ酸が4つ(176・235・266・268番目)異なっている(厳密には176番目がB型、235・256番目がA型、268番目がどちらとも違う。)亜型も見つかっている。 いずれでも遺伝子を調べて分かる程度の違いでH物質が赤血球にそのままついているのには変わりがなく、輸血上の問題もない。 ボンベイ型(Oh) インドのボンベイ(現在のムンバイ)で発見されたことから、この名前がついている。 H物質を組み立てる際にフコースをつける工程があるが、ボンベイ型はこの酵素が作られない遺伝子のためH物質自体が完成せず、ここから先のA抗原とB抗原も作られないためA型やB型の遺伝子を持っていてもおもて試験ではO型と判定されてしまう。 H物質を持たないため抗H抗体を自然抗体として持ち、うら試験で通常A・B型血球と対照用に使うO型血球を凝集させる。 この抗H抗体は体温で反応するので、ボンベイ型にO型を含むH抗原のある型の血液を輸血できず、同型(ボンベイ型)の赤血球製剤を輸血する。 表記は「Oh」だが、O型血液を輸血できないことなどから厳密にはO型と全く別の血液型である。 パラボンベイ型(記号は下記参照) ボンベイ型と同様にH物質を組み立てる遺伝子の変異でH物質が完成しないが、こちらは赤血球にA抗原もしくはB抗原を弱くだが持つ型。(理由は#機構を参照) Ah型、Bh型(Row-IIとRow-IIIに分類)、AHm型、BHm型、OHm型(Row-IIIに分類)が確認されている。Ah型、Bh型:通常のボンベイ型(Oh型)と同じ性質を持つが、AまたはB抗原が不完全で弱いながらも存在。 AHm型、BHm型:血液上の抗原はAh型、Bh型と同様だが唾液は分泌性、OHm型はOh型(通常のボンベイ型)と同様だが唾液は分泌型。 輸血の問題はボンベイ型と基本的に同じだが、Row-IIIのパラボンベイ型で抗体が低温性のもの(抗HI)のみAhの場合はA型、Bhの場合はB型を使用してよい。血漿・血小板剤はその型(亜型の種類によってA・B・Oの選択肢がある)のもので問題ない。 HSe表記抗A血清との反応抗B血清との反応抗H血清との反応唾液中のA型物質唾液中のB型物質唾液中のH型物質血清中抗体適切な追加検査不活性 非分泌型 Oh 0 0 0 0 0 0 抗H Hレクチンとの反応、吸着解離試験、唾液中の型物質測定、転移酵素活性測定 活性低下 非分泌型 Ah +/0 0 +/0 0 0 0 抗H Hレクチンとの反応、被凝集価測定、唾液中の型物質測定、転移酵素活性測定 活性低下 非分泌型 Bh 0 +/0 +/0 0 0 0 抗H Hレクチンとの反応、被凝集価測定、唾液中の型物質測定、転移酵素活性測定 活性低下 分泌型 Om 0 0 +/0 0 0 + 抗HI Hレクチンとの反応、被凝集価測定、唾液中の型物質測定、転移酵素活性測定 活性低下 分泌型 Am +/0 0 +/0 + 0 + 抗HI Hレクチンとの反応、被凝集価測定、唾液中の型物質測定、転移酵素活性測定 活性低下 分泌型 Bm 0 +/0 +/0 0 + + 抗HI Hレクチンとの反応、被凝集価測定、唾液中の型物質測定、転移酵素活性測定
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