抗原側検査
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/09 13:56 UTC 版)
抗Hレクチン H抗原のない、O型の亜型であるボンベイ型やパラボンベイ型には凝集せず、逆にその他の亜型には激しい凝集を起こさせる。またCad(+)血球にも凝集。 対象は全亜型。特にボンベイ型、パラボンベイ型 通常は O>A2B>B>A1>A1Bの順に凝集は強くなる。 抗A1レクチン(ドリコスレクチン) A1抗原のない、A型の亜型であるA2型などには凝集しない。 汎血球凝集などでも例外的に凝集する。 対象はAの亜型。 ピーナッツレクチン 感染症などで細菌の酵素により血球の内在性抗原(T、Tk、Tnなど)が露出し、ピーナッツレクチンをはじめ全抗血清に凝集する。 対象は汎血球凝集を疑う場合。詳細は下記 吸着解離試験 血球に抗原が存在することを証明するために、既知の抗体をいったん患者血球に吸着させ、熱解離などによって再び解離する。そして既知の同型血球とまた反応するかを調べる。 対象は亜型のうちAm、Ax、Ael、Bm、Bx、Bel型。 再アセチル化 消化器系の感染症では細菌の酵素でN-アセチルガラクトサミンが脱アセチル化され、ガラクトースとなり抗B血清と反応するようになる。 無水酢酸で再アセチル化すれば通常の状態に戻る。 対象は後天性B。 被凝集価測定 抗原の強さを調べる。抗血清の希釈系列と患者血球を反応させ、どこまで凝集するかを調べる。 対照と比較して被凝集価が2管差以上、スコアが10以上あれば亜型。 対象はA2、A3、B3、パラボンベイ型 吸収試験 抗原の強さを調べる。被凝集価とは逆に患者血球の希釈系列と抗血清を反応させ、どこまで凝集するかを調べる。 吸収価が1:8未満ではA3、B3以外の亜型。 対象はA2、A3、B3、パラボンベイ型 混合赤血球の分離 対象は異型輸血、キメラ、モザイクを疑う場合。 もともと部分凝集がみられた場合、「異型輸血」「亜型」「造血幹細胞移植後」「キメラ・モザイク」「白血病・ホジキン病などの疾患による抗原減弱」を疑う。
※この「抗原側検査」の解説は、「ABO式血液型」の解説の一部です。
「抗原側検査」を含む「ABO式血液型」の記事については、「ABO式血液型」の概要を参照ください。
- 抗原側検査のページへのリンク