A型の亜型
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/11 01:59 UTC 版)
A1 普通のA型。A型の人のうち約80%を占める。(赤血球1個当たりの抗原数8.1×105〜11.7×105) Aint A1よりも弱くA2よりも強い。 A2 弱いA型。(赤血球1個当たりの抗原数2.4×105〜2.9×105) このあたりからO型に間違えられやすくなる。 検査は抗Hレクチン、抗A1レクチン、被凝集価測定、転移酵素活性測定、唾液・血清中の型物質測定、 そのほかA1に対する抗体を持つものものが時々いるため、A型血球との間接抗グロブリン試験などでも調べる。 A3 かなり弱いA型。(赤血球1個当たりの抗原数7000) オモテ試験で部分凝集となるのが特徴。 検査は抗Hレクチン、抗A1レクチン、被凝集価測定、転移酵素活性測定、唾液・血清中の型物質測定。 その他A型とO型の血液キメラやモザイクとの鑑別のため、混合赤血球の分離も。 これ以外にほとんどがA1に対する抗体を持つという性質を持つ。 Ax A3よりさらに弱いA型。(赤血球1個当たりの抗原数1400〜10300) AでありながらAに対する抗体を持ち、あるはずの転移酵素や型物質がない。 検査は抗Hレクチン、抗A1レクチン、吸着解離試験、転移酵素活性測定、唾液・血清中の型物質測定。 Am Axよりさらに弱いA型。(赤血球1個当たりの抗原数1200) Aでありながらオモテ試験で凝集せずOと判定される。しかし転移酵素や型物質は存在する。 検査は抗Hレクチン、抗A1レクチン、吸着解離試験、転移酵素活性測定、唾液・血清中の型物質測定。 Ael ものすごく弱いA型。(赤血球1個当たりの抗原数700) 「el」はelution(溶離・溶出)の略。吸着解離試験の検査以外ではA型と判断できない。 Aend ものすごく弱いA型。特定の抗原が存在しないか、ごくわずかしか存在しない。 亜型抗A血清との反応抗B血清との反応血清中の抗A血清中の抗B型物質A型転移酵素適切な追加検査A1 + 0 0 + A、H あり なし A2 + 0 +/0 + A、H あり Hレクチンとの反応、A1レクチンとの反応、被凝集価測定、唾液・血清中の型物質測定、転移酵素活性測定、A血球との間接抗グロブリン試験 A3 mf(部分凝集) 0 0 + A、H あり Hレクチンとの反応、A1レクチンとの反応、被凝集価測定、唾液・血清中の型物質測定、転移酵素活性測定、混合赤血球分離 Ax +/0 0 + + H なし Hレクチンとの反応、A1レクチンとの反応、被凝集価測定、唾液中の型物質測定、転移酵素活性測定、A血球との間接抗グロブリン試験、家系調査 Am 0 0 0 + A、H あり Hレクチンとの反応、A1レクチンとの反応、吸着解離試験、唾液・血清中の型物質測定、転移酵素活性測定、家系調査 Ael 0 0 + + H なし Hレクチンとの反応、A1レクチンとの反応、吸着解離試験、唾液中の型物質測定、転移酵素活性測定、家系調査 基本的に血清中に抗Aがあると、血清を使った型物質測定はできない。
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