ABO式血液型の亜型分類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/09 13:56 UTC 版)
「ABO式血液型」の記事における「ABO式血液型の亜型分類」の解説
ABO型の各型の凝集力の違いなどを元にさらに下の亜型がある。検査については亜型検査を参照。 血液型の亜型はA2が最初の発見になり、通常のA型はフジマメ科の植物ドリコス・ビフローラスからとれるレクチンで凝集が起きる(B型・O型は凝集しない)が、A型であるにもかかわらずこれに反応しないものがあったことで発見された。このA2は酵素反応してないH物質が多く、このためドリコスレクチンに反応しなかった。原因はA2の遺伝子はABO血液型物質を作る354番目のアミノ酸の塩基配列が1つ抜けたため、次が終止コドンにならずにA1(通常のA)より長くなり、376個分のアミノ酸のデータで酵素を作るためこのような違いが起こっていた。なお後に判明した他の亜型の場合もA3は291番目のアミノ酸(塩基では871番目)、AXは216番目のアミノ酸(塩基では646番目)、B3は352番目のアミノ酸(塩基では1054番目)にこうした違いが起きていた。 基本的に型が同じなら抗原は同じもの(量が異なるのみ)なので亜型が違っても通常はその型の赤血球製剤で問題ないし、反応する場合も低温でのみ反応する寒冷凝集素の場合は実害がないためそのまま輸血可能だが、まれに37℃反応性のその型の抗体(A型なら抗A1抗体、B型なら抗B抗体)を持っている場合は「O型」の赤血球製剤(A抗原・B抗原を持たない)を使用する。いずれの場合も血漿・血小板剤はその型のもので問題ない。
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