【C-17】(しーじゅうなな)
Boeing(McDonnell Douglas) C-17 Globemaster 3
アメリカ空軍のRDF(緊急展開軍)構想から誕生した新型の輸送機。
C-5を彷彿とさせるT字型垂直尾翼、高翼式の主翼から、C-5の後継機と言っても良い。(実際にはC-141「スターリフター」の後継機である。)
C-5と同種の物資が搭載できるペイロードと、C-130が着陸できる飛行場に降りられるSTOL性能とを両立させ、戦略輸送機と戦術輸送機の垣根を取り払う輸送機を目指して開発された。
主翼端にウイングレットを取り付けて燃費を向上させているほか、YC-15の研究で培われたEBF(Externally Blown Flap)方式によって高いSTOL性能を実現している。
また、輸送機として初めてHUD(ヘッドアップディスプレイ)を搭載し、戦闘機と同様の操縦桿も採用されている。
積載能力としてはM1戦車1輌、M2A2歩兵戦闘車(26t時)・ストライカー3輌、AH-64またはOH-58を3機、M270 MLRS(発射機1輌、支援車両3輌)など、兵員を144名まで輸送する事が可能である。
しかし、性能の向上は価格の上昇を招き、また組立中に重量過多が判明するなどし、その開発自体も遅れ、原型機の初飛行が1991年9月15日と当初の計画よりも1年遅延してしまった。
1993年6月より部隊配備を開始し、最終的には180機の調達を予定している。
アメリカ以外ではイギリスなどが使用している。
スペックデータ
乗員:3名
全長:53.0m
全高:16.8m
全幅:51.8m
翼面積:353.02㎡
空虚重量:128.1t
最大離陸重量:265.35t
最大積載量:77.519t
巡航速度:マッハ0.77(高度7,620m)
エンジン:P&W F117-PW-100ターボファンエンジン(推力18,460kg)4基
航続距離:5,190km/9,815km(空荷フェリー時)
実用上昇限度:13,715m
アメリカ以外での採用および採用検討中の国
- イギリス
4機がRAFにリースされて使用されている。2010年までに8機に増強する計画である。
- オーストラリア
国外展開用に4機を購入した。
- カナダ
CC-177の名称で4機を取得予定である。
- カタール
2008年に2機発注している。
- UAE
2009年に4機発注している。
- インド
Il-76の後継として10機の購入を希望している。
- フランス
3機のリースまたは購入を検討中。

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