摩天楼の頂上でランチ
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/24 08:56 UTC 版)

『摩天楼の頂上でランチ』(まてんろうのちょうじょうでランチ、Lunch atop a Skyscraper)は、ビルのクロスビーム(横桁)に腰かけ、地上256メートルで足をぶらつかせながら昼食をとる11人の建設作業員をとらえた白黒写真で、ニューヨーク市のロックフェラー・センターにあったRCAビル(2015年にコムキャスト・ビルディングと改名)の建設中に撮影された[1]。勇壮な風景と牧歌的な日常とが同居したこの写真は、アメリカ史の一時代を切り取ったと称され高い人気を誇る一方で、2000年代に入っても撮影者やモデルなどに謎の多い作品である[2]。
作品
マンハッタンの上空で安全ハーネスを身につけずに昼食を楽しむ作業員の姿は、人々が安全に問題があろうともただ職を得ただけで喜んでいた大恐慌という時代をよくとらえている[1]。写真家のジェシー・ニューマンは、最も有名な写真の一つでありながら謎のほうが多いこの作品に触れて次のように語っている。
しかし撮影から80周年の今日、何も知らぬ私たちに浮かぶ疑問を胸にしまい、この写真がいまこうしてあることに感謝するのは何ら難しいことではない。ニューヨーク市が自らを語った、工業化と移民、復興と野心、辛い仕事と大いなる希望があったことを教えてくれる物語の定点がここにある — Jesse Newman.“Revisiting a Lunch at Perilous Heights”. Lens Blog - The New York Times[2]
キング牧師やアインシュタインなどの有名な写真を数多く収録しているコービス社のカタログのなかでも、この作品は特に人気が高く、そしてよく売れるという[1][2]。
来歴
「摩天楼の頂上でランチ」は1932年9月20日に、完成を間近に控えたアール・デコの摩天楼であるRCAビルの69階で撮影され、10月2日、ニューヨーク・ヘラルド・トリビューンに掲載された[1][3]。オリジナルのネガ(ガラス乾板)はアイロンマウンテン社の管理する施設に保管されているが、その後左上隅が欠けて紛失しており、乾板そのものも1996年に落下の衝撃で5枚に割れてしまっている[2]。
帰属
2000年頃に作業員たちを特定するため写真の権利を保有するコービス社は新聞広告を出したり私立探偵に依頼するなど精力的な調査をおこなったが、全員の名前を突き止めるには至らなかった[4]。しかしこれまでに家族を名乗る人間が何人も現れており、その主張に従えば、彼らの大半はアイルランド系の移民である[1]。第37回トロント国際映画祭に出品されたドキュメンタリー映画『空中ランチ』も、彼らがアイルランド出身であるという証拠を提示した作品である[1]。しかし4人に1人が職を失っていた当時のニューヨークにさえアイルランド人たちが職を求めてやってきたというのは事実であっても、実際にモデルが彼らだと証明することはきわめて難しい[2]。
70年近くもの間この写真は「撮影者不明」とされていたが、2003年からコービス社はチャールズ・C・エベッツの家族の主張を認め、エベッツの名をクレジットするようになった[5]。しかしこの撮影現場には他にもカメラマンがいたことが明らかになって以降、同社はこれを確かな情報とはしていない[4]。
つまりコービス社のアーキビストによれば、一見自然な昼食休憩を撮影したかにみえるこの写真は「営業努力」の賜物だった。被写体こそ本物の作業員だが、新しい摩天楼を宣伝したいロックフェラー・センターが舞台を演出したのであり、実際のところこの日はエベッツだけでなく何人ものカメラマンが用意されていた。例えば作業員たちが同じ場所でうたたねをしている写真も存在するが、それもこの日に撮影されたものである[1][4][2]。
脚注
- ^ a b c d e f g “The picture that proves why iconic photograph of workers eating their lunch on Rockefeller beam was all a publicity stunt”. Daily Mail. 2012年9月29日閲覧。
- ^ a b c d e f 撮影日が9月29日とされ、撮影者もルイス・ハインに帰せられていた時期があった“Revisiting a Lunch at Perilous Heights”. The New York Times (2012年9月20日). 2012年10月2日閲覧。
- ^ “Lunch Atop a Skyscraper: iconic American photo is 80 years old”. The Telegraph (2012年9月20日). 2012年10月2日閲覧。
- ^ a b c “A casual lunchtime snap, or the world's most iconic publicity stunt?”. The Independent (2012年9月20日). 2012年10月2日閲覧。
- ^ “Ormond woman, daughter document legacy”. News-JournalOnline.com (2012年3月6日). 2012年10月2日閲覧。
「Lunch atop a Skyscraper」の例文・使い方・用例・文例
- 骨が多いフリルと長い鼻角の縁の周りに多くの大きいスパイクを持っている珍しいceratopsian恐竜
- MondayはMon.と略される
- 「happy」という語ではアクセントは第1音節にある
- 米国のCongressは英国のParliamentに相当する
- 7はJanuaryseventhと読む
- Haltはドイツ語で「止まる」という意味だ
- 彼はよくillegalという単語のつづりを間違う
- という文は“I"のあとに“am"を補って考える
- flavourはflavorの別のつづり方である
- また、明日は休みを取ると思うので、その場合はあなたにPutnam自動車のLyle氏に朝一番で電話をかけて、11:00 の訪問の予定を延期してもらいたいです。
- バンクーバー― マレーシアに拠点を置くBaronホテルグループはHoward Hotels Internationalを買収する交渉を行っている。
- Baronは、アジアの主要都市に100 を超えるホテルを構える、ビジネスホテルの巨大企業で、高級ホテル市場への進出を目指している。
- Baronが企業買収に成功すれば、同社は、名声を確立したHoward Hotelsブランドやその豪華なおもてなしのノウハウを手に入れることになる。
- Howard Hotelsは、著名なカナダの非上場高級ホテルチェーンで、今のところ、世界展開を手助けしてくれる提携企業を見つけられずにいる。
- 買収がうまくいけば、BaronはHoward Hotelsの株式の65%を所有することになる。
- 家庭用品小売業のPatio社は昨日、住宅設計と建設事業へ参入することを発表した。
- Patio社は、外国で作られた家庭用品や家具、装飾用品を輸入する小さな貿易会社として20 年前に創業した。
- 同社には、都会の環境に田舎の生活を取り入れたいと思う中流階級の都会人の間に数多くの支持者がおり、最高経営責任者のByron Coxによると、「住宅設計や建設は弊社のような企業にとって当然の結果だ。弊社のお客様は、彼らが所有するPatioの商品と調和する建物を求めている」とのことだ。
- Patio初の主要な建設プロジェクトはGolden Bayを見下ろす20戸の分譲マンションになるだろう。
- 今年の1 月まで、「Premiumアイスクリーム」で知られるErnesto Dairyの副社長だったCarla Starkが、4 月20 日付けでHolman Health社の会長に就任することが今日発表された。
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