Luna 21とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > Luna 21の意味・解説 

ルナ21号

(Luna 21 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/01 00:39 UTC 版)

ルナ21号
ルナ21号に搭載されていた月面車ルノホート2号の模型
所属 ソビエト連邦
国際標識番号 1973-001A
カタログ番号 06333
状態 運用終了
月面に残存
目的 探査
観測対象
打上げ機 プロトンロケット(8K82K/11S824)
打上げ日時 1973年1月8日
運用終了日 1973年6月4日
質量 4850kg
搭載機器
カメラ 周辺を撮影
土壌調査装置 土壌の硬度などを調査
X線観測装置 X線による観測
光度計 可視光紫外線を測定
磁力 月の磁場を測定
放射計 放射計
レーザー測距儀 地球との距離を測定
テンプレートを表示

ルナ21号ロシア語Луна-21、ラテン文字表記の例:Luna 21)は、1973年1月8日に打ち上げられたソビエト連邦月探査機ルナ計画の1機体としてに着陸し、4ヶ月以上に渡って無人月面車ルノホート2号で月面を探査した。

設計

ルナ21号は1970年に打ち上げられたルナ17号の同型機で、降下ステージと月面車の2つのモジュールから構成されていた。降下ステージは探査機を月面に着陸させる役割を持ち、4本の脚と2種類の逆噴射ロケットを装備していた。

月面車はルノホート2号と命名され、月面を移動しながら観測を行った。その本体はのような形をした与圧容器だった。基本設計はルナ17号に搭載されたルノホート1号から引き継がれたが、若干の改良が加えられていた(例えばルノホート1号では円形だったカメラの開口部が2号では四角形に再設計されている)。

観測機器としては、複数のカメラ・月面の機械的性質を調査する装置・太陽からのX線を観測する装置・光度計磁力計放射計・測距のため地上からのレーザーを検出・反射するコーナーキューブ装置が装備されていた。車体上部に取り付けられたカメラからは一定間隔で映像が送信され、走行ルートの選択の参考にされた。移動速度は時速1kmと時速2kmの二種類から選択する方式がとられた。

ルノホートには8つの車輪があったが、車輪はそれぞれ独立したモーターから動力を供給されており、車輪の一部に問題が起きても駆動系全体に致命的な影響が広がらないように工夫されていた。車体の上部には太陽電池パネルが装備され、太陽光による発電を行った。夜間は発電が行えないが、内部に搭載した放射性元素ポロニウムの崩壊熱によって与圧された探査機内部の温度を保つことができた。

探査

1973年1月8日、ルナ21号はバイコヌール宇宙基地からプロトンロケットで打ち上げられた。探査機は一旦地球を周回するパーキング軌道に投入された後に月へ向かった。飛行は順調に進み、1月12日には高度100×90kmの月周回軌道に投入された。続いて、13から14日にかけて行われた軌道修正によって近点高度が16kmまで下げられた。

1月15日、ルナ21号は逆噴射により月周回軌道を離脱し、月面へ向けて降下を開始した。探査機は自由落下ののち高度750mで逆噴射を開始した。月面まで22mに迫ったところでサブのエンジンに切り替え減速を続けた。高度1.5mでエンジンを停止し、最後は自由落下によって着陸した。着陸地点はルモニエという名前のクレーターの内部だった。

ルノホート2号はまず周辺の写真を撮影し、次に月面へ降りた。最初に着陸地点の周辺の観測が行われ、それから他の場所へ移動した。バッテリーが不足すると太陽電池パネルを開き充電を行った。2週間ほど続く月の夜の間は活動を停止し、ポロニウムによって内部を保温した。

6月4日、ルナ21号の計画の終了が公式に発表された。期間中にルノホート2号は37kmを走行し、8万枚の写真と86枚のパノラマ写真を撮影した。搭載されていた反射鏡は活動停止前に地球に向けられ、その後もレーザーによる測距に活用された。

参考文献

  • Luna 21” (英語). NASA - NSSDC. 2008年5月30日閲覧。

「Luna 21」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「Luna 21」の関連用語

Luna 21のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



Luna 21のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのルナ21号 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS