KDE Plasma 6
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/19 10:20 UTC 版)
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KDE Plasma 6のロゴマーク。
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KDE Plasma 6デスクトップ
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作者 | KDE |
---|---|
開発元 | KDE |
初版 | 2024年2月28日[1] |
最新版 | |
最新評価版 | |
リポジトリ | |
プログラミング 言語 |
C++、QML |
対応OS | Linux、Unix系 |
プラットフォーム | KDE |
サポート状況 | 開発中 |
種別 | グラフィカルシェル ウィジェットエンジン デスクトップ環境 |
ライセンス | GPL及びLGPL |
公式サイト | kde |
KDE Plasma 6 (ケーディーイー・プラズマ・シックス) は、第6世代のKDEデスクトップ環境である。KDE Plasma 6はKDE Plasma 5の後継で、2024年2月28日に最初のバージョンがリリースされた[4]。
概要
KDE Plasma 6は、KDE Plasma 5から進化した第6世代のデスクトップ環境で、Qt 6[5]とKDE Frameworks 6を基盤として構築されている。Waylandのサポートが強化されており、デフォルトでの使用が推奨されている。新たなアニメーションとエフェクトが導入され、ユーザーインターフェースのデザインがより洗練され、アプリケーション間の遷移やウィンドウの動きがより滑らかになった。それ以外にもカラー管理の強化、HDRサポートの拡張、視覚障害者向けの補正カラー フィルターの追加、デスクトップ切り替え時のスクロール領域の挙動変更などの様々な変更が施された。
変更点
ディスプレイサーバ
KDE Plasma 6は、X11の代わりに新しいディスプレイサーバであるWaylandをデフォルトで採用しており(X11も使用可能)、使用が推奨されている。これにより、より効率的な描画とセキュリティの向上が図られた。
新しいアニメーションとエフェクト
Plasma 6では、ウィンドウの切り替え、最小化、最大化時のアニメーションが改善され、よりスムーズな動きを実現している。ウィンドウには強化されたドロップシャドウ効果が追加され、ウィンドウが浮いているような視覚効果がさらに強化されている。ウィンドウの透過や背景ぼかしなどの透明効果も改善され、よりリアルで魅力的なデザインが実現されている[6]。
パフォーマンス
KDEアプリケーションで使用される設定ファイルの検索速度が35%から40%向上し、設定変更やアプリケーションの起動処理が最適化された。システム設定インターフェースの応答性が向上し、Discoverアプリケーションマネージャーの起動時間が短縮され、ユーザーエクスペリエンスが改善されている[7]。
デフォルトテーマ
新しいデフォルト設定として、パネルがフローティング形式で表示されるようになった。透過効果の強化が行われ、視覚的に美しく、スタイリッシュなデザインが提供されている。ユーザーが透明度を調整することも可能[8]。
アプリケーション
Plasma 6では、Dolphinでのツールバーやステータスバーのボタンをキーボードから操作できるようになった。Discoverでもユーザーインターフェースが改良され、背景色の変更、アプリケーションカードの配置改善、サイドバーの動作更新などが行われた。
評価
KDE Plasma 6は、ユーザーエクスペリエンス、パフォーマンス、カスタマイズ性において改善が評価されている。特に、フォントレンダリング、Waylandサポート、デスクトップの応答性が向上し、全体的な使用感が改善されている[9]。ただし、起動直後のメモリ使用量が約1300MBに達し、従来のPlasma 5と比較して増加している点が一部のユーザーにとって懸念事項となっている。ただ、Plasma 6は、ユーザーインターフェース[10]、パフォーマンス[9]、カスタマイズ性[11]において改善が見られており、KDE Plasma 6に対する評価は全体的に好意的である[5][10][11]。
バージョン履歴
バージョン | リリース日 | おもな新機能と変更点 |
---|---|---|
6.0 | 2024年2月28日[12][13] | Qt 6とKDE Frameworks 6を採用。デフォルトのディスプレイサーバにWaylandを採用、ルック&フィールに大幅な変更[14]。 |
6.1 | 2024年6月18日[15][13] | リモートデスクトップの統合。 カスタマイズ機能の拡充、セッションの復元機能の改善[16]。 |
6.2 | 2024年10月8日[17][13] | 描画タブレットのサポート向上[17]、電源管理の改善、アクセシビリティの向上、ユーザーインターフェースの改良[18]。 |
6.3 | 2025年2月11日[13][19] | グラフィックと表示の改善、システムモニタリングと通知の強化、Kickoffメニューのアイコン表示。 |
6.4 | 2025年6月17日[13][20] | セッション復元プロトコル、時刻に応じて自動に壁紙を変更する機能の追加、タイリング機能、システムトレイ機能の強化、改良。デスクトップのレイアウト変更機能の増加、タッチスクリーンのバグ修正、外部のマウントされたファイルシステムのエラーチェック機能の追加 |
凡例
サポート終了
サポート中
現行バージョン
将来のリリース
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KDE Plasma 6.0
-
KDE Plasma 6.3
脚注
- ^ “KDE MegaRelease 6 KDE’s next mega release is here!”. KDE (2024年2月28日). 2025年3月16日閲覧。
- ^ "KDE Plasma 6.4.3, Bugfix Release for July"; 作品または名前の言語: 英語; 出版日: 2025年7月15日; 閲覧日: 2025年7月15日.
- ^ “KDE Plasma 6.4.3, Bugfix Release for July” (英語). 15 July 2025. 2025年7月15日閲覧.
- ^ “KDE MegaRelease 6” (英語). KDE Community. 2025年3月16日閲覧。
- ^ a b “KDEのPlasma 6リリース”. www.qt.io. 2025年3月16日閲覧。
- ^ “KDE Plasma 6.3がパネルクローン、ピクセルパーフェクトなKWinズームを搭載してリリースされました。”. ja.linux-terminal.com. 2025年3月16日閲覧。
- ^ “KDE はウォームアップし、この最終段階で全体的な改善を示します”. https://ja.linuxadictos.com/. 2025年3月16日閲覧。
- ^ “KDE Plasma Linux デスクトップを最大限に活用する 7 つの方法”. ja.linux-console.net. 2025年3月16日閲覧。
- ^ a b Arindam (2024年3月28日). “KDE Plasma 6 Experience: A Practical Review” (英語). DebugPoint.com. 2025年3月16日閲覧。
- ^ a b “Linux その191 - KDE Plasma 6の開発状況・パネルに新しい可視モード追加やUIの改善など”. kledgeb. 2025年3月16日閲覧。
- ^ a b “Linux 用 Plasma 6.0 を 1 週間使ってみました。そのハイライトは次のとおりです。”. ja.linux-console.net. 2025年3月16日閲覧。
- ^ “KDE MegaRelease 6” (英語). www.kde.org. 2025年3月16日閲覧。
- ^ a b c d e “KDE Plasma” (英語). endoflife.date (2025年3月12日). 2025年3月16日閲覧。
- ^ “KDEプロジェクト、KDE Plasma 6を含む「KDE MegaRelease 6」をリリース”. gihyo.jp (2024年3月1日). 2025年3月16日閲覧。
- ^ “Plasma 6.1” (英語). KDE Community (2024年6月18日). 2025年3月16日閲覧。
- ^ “KDE、デスクトップ環境「KDE Plasma 6.1」リリース”. Think IT(シンクイット). 2025年3月16日閲覧。
- ^ a b “Plasma 6.2” (英語). KDE Community (2024年10月8日). 2025年3月16日閲覧。
- ^ “Plasma 6.2 は、目に見えないものに重点を置いたデスクトップのバージョンであり、Wayland の改善点が強調されています。”. Example News. Example Inc. (2024年8月10日). 2025年3月16日閲覧。
- ^ “Plasma 6.3” (英語). KDE Community (2025年2月11日). 2025年3月16日閲覧。
- ^ “Plasma 6.4” (英語). KDE Community (2025年6月17日). 2025年6月18日閲覧。
関連項目
外部リンク
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