JR旅客各社による事業化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 11:18 UTC 版)
「客貨混載」も参照 2020年以降、新型コロナウイルス感染症の社会・経済的影響で、新幹線の利用が大幅に減少し減収が続いているため、JR旅客各社では新幹線による荷物輸送の事業化に乗り出している。これらは台車に乗せた荷物を座席と座席の間に置くなど、既存の客車をそのまま利用している。 JR東日本は、2017年から不定期で地域の特産品などを新幹線で運び駅ナカの見本市などで販売する取り組みを行ってきた。2018年には、日本郵便と共同で、宮城県で収穫された農産物を東北新幹線で東京駅まで輸送して、東京駅でのイベントで販売したり、2019年には、新潟県で水揚げされた海産物を上越新幹線で輸送し、品川駅の鮮魚店で販売したりする試みや、2020年には、弘前市で収穫されたトウモロコシを朝に新青森駅で積み込み、当日に東京駅で販売するなど小口の高速輸送の手段として検証が行われている。2020年10月からは仙台駅 - 東京駅間の輸送を定期化した。 JR西日本も、JR東日本と連携して、北陸エリアの特産品などを北陸新幹線で首都圏に輸送する事業を拡大することを表明した。JR西日本は、JR九州とも連携して、山陽・九州新幹線を活用して九州の特産品などを関西へ輸送する実証実験を2021年2月から開始する。新大阪駅で荷物を降ろした後、在来線に積み替えて大阪や京都に輸送する貨物輸送の事業化を目指す。JR北海道とJR九州も、それぞれ佐川急便と提携して宅配荷物を新幹線で輸送する事業を構想している。JR北海道では、北海道・本州間(新函館北斗駅 - 新青森駅)で客室内に宅配荷物を収納した専用ボックスを積載して輸送する方式で、早ければ2020年度内にも正式に事業化する予定。JR九州も、九州新幹線の博多駅 - 鹿児島中央駅間の上下で車内の余剰スペースに佐川急便の宅配便荷物を収納した専用ボックスを積載して輸送する貨客混載事業を2021年5月18日から開始し、また旧車販準備室を使用する荷物輸送サービス「はやっ!便」を同日に開始した。
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