JAL経営破綻後
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/27 14:16 UTC 版)
「日本航空の労働組合」の記事における「JAL経営破綻後」の解説
企業再生支援機構(以下「機構」)の主導下で、会社の経営再建に当たっていた時は、日本航空機長組合や日本航空乗員組合など、かつての「反会社側組合」が、公共交通機関が運航を行っていない深夜早朝時間帯以外の運航乗務員の出退勤時のタクシー通勤を取りやめ、電車やバスなどの使用を行う事や、給与などの待遇の削減を決定した会社側の決定を受諾したほか、新体制となった会社側との話し合いを尊重するなどの声明を発表するなど、当初は経営再建に向けた取り組みに協力的な姿勢をとった。 しかしながら、その後の2010年3月に経営再建に向けたコスト削減の一環として、伊丹空港と福岡空港に置かれていた客室乗務員拠点(基地)を閉鎖し、当該拠点で勤務していた社員を東京へ転勤させる旨の辞令を会社側が出した際には、日本航空キャビンクルーユニオンはこれに対して抗議を行う だけでなく、マスコミを集めた記者会見まで行うなど 批判的である(なお、本人の家庭事情を顧みないこのような遠隔地配転命令は公序良俗に反し無効との判例が存在する)。会社更生法適用決定1周年の2011年1月19日に解雇無効の確認を求め訴訟を提起した。 また日本航空乗員組合も、機構の主導下で会社が進める人員削減計画を「退職強要」であるとして反対し、同年11月には「退職強要」禁止の仮処分命令の申し立てを東京地方裁判所に行なっている。2010年12月末には中華民国行政院労工委員会(日本の厚生労働省に相当)が、台湾ベースの客室乗務員をも具体的に理由を示さず整理しようとしている点について懸念を表明した。国際労働機関(ILO)に対しても申し立てが行なわれ、ILOからは「日本政府に対し調停を行なった」との回答が為されている(CCUホームページ参照)。更にILOは2013年11月、日本政府に対し“乗務員の新規採用を許すなら被解雇者と復職協議を行なうべきだ”との追加勧告を措置したと発表した。 これらの動きに対し機構は、客室乗務員組合が2010年12月24・25日のストライキを予告した際には(決行はされずスト権は留保されている)、「ストが打たれた場合には再建支援はしない」との恫喝を行ない、組合活動への介入という不当労働行為に出ている。組合の申し立てを受けた東京都労働委員会は、2011年8月3日、審査の結果「発言は組合員に威嚇的効果を与え、組合の組織運営に影響を及ぼすもので、組合運営に対する介入と言わざるを得ない」と判定し、会社側に謝罪文の掲示を命令。
※この「JAL経営破綻後」の解説は、「日本航空の労働組合」の解説の一部です。
「JAL経営破綻後」を含む「日本航空の労働組合」の記事については、「日本航空の労働組合」の概要を参照ください。
- JAL経営破綻後のページへのリンク