Jリーグでの運用方法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/22 17:49 UTC 版)
「日本におけるビデオ・アシスタント・レフェリー」の記事における「Jリーグでの運用方法」の解説
Jリーグでは当初2021年シーズンに向けたVAR導入を目指していたが2019年シーズンのリーグ戦で浦和レッズ対湘南ベルマーレや横浜F・マリノス対浦和レッズなどの重大な誤審が相次いだことから前倒しでの導入を決定。2020年にJリーグではVAR導入を決めたが、1節を終えた時点で新型コロナウイルスの影響により再開後の日程が過密し審判員の確保が困難であることから残りのシーズンのVARの導入は見送られることとなった。2021年シーズンではJ1リーグ380試合を含む全394試合での導入が決定され、実質VAR元年の年となった。 Jリーグではドイツ・ブンデスリーガや2018年のロシアワールドカップなどで採用された一箇所にビデオ・オペレーション・ルーム(以下、VOR)を集中させるセントラル方式は採用せず、イングランド・プレミアリーグなどで採用されている試合会場に隣接されたバンの中にVORを設置する方式が採られている。VORにはVARが1人、アシスタントビデオアシスタントレフェリー(AVAR)が1人、リプレイオペレーター(RO)が1人の計3人体制。VARには主審担当の審判員が割り当てられAVARには、すべての試合ではないが基本的に副審担当の審判員が割り当てられる。再開後の2021年シーズンでのVORではVAR、AVAR、ROはフェイスシールドと間にはアクリル板が設置され感染対策予防にも重点が置かれた。 また、バーチャル・オフサイドライン・システムにおけるオフライドラインの生成には、2Dでのライン生成を行なっている。2Dのライン生成では実際に地面に接している体の部位でしか正確な判断をすることができず上半身など空中にある体の部位は正確に判断することができない。一方3Dでのライン生成では空中にある体の部位からも垂線を引くことができるためより厳密なオフサイドラインの生成が可能になる。しかし、実際に3Dでのライン生成を採用しているプレミアリーグでは、正確な判定ができる反面ミリ、センチ単位でのオフサイドによる得点取り消しが数多く発生し、賛否両論が起きている。2Dでのライン生成では正確な判定はできないがプレミアリーグのような厳密すぎる判定は行われないという利点があり、VARの理念「はっきりとした明白な間違い」という条文に沿うものとなっている。 JリーグではOFRの際に主審が見ている映像と同じものをスタジアムの大型ビジョンに同時に流すというラグビーと似た運用がなされている。これはその他海外リーグの運用方法と比較しても異例であり日本独自の運用方法となっている。JリーグでのVARが導入される以前には海外サッカーでチェックからレビューまでの一連の流れが観客にとって分かり辛いものとされていたことや前年に行われたYBCルヴァンカップでも同様に、観客には何に対してのチェックなのかが分かり辛かったことで、同年Jリーグの原博実副理事長は観客にも分かりやすいような形でビジョンに表示させる考えを明かしていた。その場にいる観客にも同じ映像が共有されるため分かりやすさや納得感が得られやすくなった一方で会場の空気感が選手や判定を下す主審に心理的な影響を及ぼす懸念もある。なお、主審が直接映像を確認しないVARオンリーレビューでは会場に映像は流されることはなくチェック中を示す画像のみが表示される。2020年シーズンではJリーグオフィシャルVAR・フェアプレーパートナーとして株式会社TOPがスポンサーとなりレビュー中など、スタジアム大型ビジョンや中継映像にロゴが表示された。
※この「Jリーグでの運用方法」の解説は、「日本におけるビデオ・アシスタント・レフェリー」の解説の一部です。
「Jリーグでの運用方法」を含む「日本におけるビデオ・アシスタント・レフェリー」の記事については、「日本におけるビデオ・アシスタント・レフェリー」の概要を参照ください。
- Jリーグでの運用方法のページへのリンク