DTMのこれから
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/20 08:13 UTC 版)
「デスクトップミュージック」の記事における「DTMのこれから」の解説
一般的なパソコンでもハードディスクレコーディングが可能な性能に追いつき、初心者向けシーケンスソフトでもMIDIだけでなくオーディオを扱うことができるものが多くなって来ている。しかも、ソフトウェア上で高性能なシンセサイザーやエフェクターなどをもシミュレート可能になったことで、パソコンとソフトのみでも品質の良い楽曲を制作できるようになる。然るべき機材を用意すれば、演奏を録音したりそれを任意に編集したりといった、一昔前では高価な機材やソフトがなければ行えなかったような作業もある程度可能になった。 かつてはMIDIおよびMIDIファイルがDTMの中心であったが、「DTM」を意識する必要が無くなってきたことから、CubaseやCakewalk SONAR、Digital Performer、LogicなどのDAW(これらのソフトも元をただせばATARIやMac上のMIDIシーケンサーソフトにオーディオ処理機能を追加したものではあるが)を選択する制作者も増加し、プロ向けソフトを作ってきたメーカー側も初心者を取り込むための戦略を打ち出している傾向にある。 また、前述のブロードバンドの普及やMP3などの音声データ圧縮技術の普及、およびDTM音源のもつ役割の変化などといった理由により、DTMユーザーにはSCシリーズやMUシリーズ以外の選択肢ができるようになったため、プロ用として設計・製造されたシンセサイザーのモデルチェンジの速さは以前と変わらないにもかかわらず、一方のDTM音源は各社が競って出していた93年から97年頃に比べモデルチェンジは鈍化しており、4〜5年前に発表されたモデルが現行機種であるケースが多く見受けられる。 ヤマハのXG SOUND WORLDが2001年をもって終了し、以前はDTMコーナーを置いていた家電量販店ではそのスペースがPC用スピーカーのコーナーにリニューアルされるなど90年代中頃に比べれば、ブームとしてのDTMは一旦収束した。 2000年代後半以降は純粋なソフトウェアとしてのDAWが主流となり、特に拘りがなければ、PCのみで楽曲の制作から演奏まで一貫して行えるようになった。2010年代前半に入ると、スマートフォンやタブレットを楽器として使う事例まで散見されるようになった。これらは過去のスタジオ機材を凌駕する性能も持ち併せている。 また、通信カラオケや携帯電話の着メロ音源としてDTM音源の規格が利用されているといった形で日常生活にとけ込み、これらの環境は社会のインフラとして定着したとも言える。
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