DMC-12の再生産計画
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「デロリアン・DMC-12」の記事における「DMC-12の再生産計画」の解説
DMC-12の修理などを行っているスティーブン・ウィンは2007年8月、DMC-12を再生産することを明らかにした。 しかし、近年の衝突安全基準や排出ガス規制などに合わせて設計を変更することは困難であり、再生産車では車検に適応し一般道を走らせることはほぼ不可能なため、展示用や富裕層のコレクターズアイテム的な目的で出荷されている。 スティーブン・ウィンは、アメリカのテキサス州ヒューストン郊外に約3,700平方メートルの工場を建設し、そこで新DMC-12を再生産することを計画している。オリジナルのDMC-12には電装系や配線などにトラブルがあったが、新バージョンではそれらは改善される予定である。生産台数は、月20台とデロリアン社時代と比べて減るものの、ファンからの期待は高いようである。 現在、全ての補給部品と現行品による新車もテキサス州のデロリアン・モーター・カンパニーに注文できる。また整備、中古車の売買の仲介なども行なっているようである。 2011年10月、スティーブン・ウィンはベンチャーEVメーカー・Epic EVと協力し、DMC-12を2013年までに電気自動車化して生産する計画を発表していた。 DMCevのプロトタイプは、ヒンジで開閉するフロントのダミーグリルの奥に充電用プラグインソケットを持ち、フロントトランク内の左右と旧エンジンルーム前側にリチウムイオンバッテリーを搭載する。交流240V電源による3.5時間充電で、約100マイルの市街地走行が可能とされ、バッテリーの予想寿命は7年もしくは10万マイルとされている。ラゲッジスペースの両側約2/3がバッテリーに占領されているが、燃料タンクやスペアタイヤが無いため、中央部はある程度の長さと深さが確保されている。 電動機は1基で、水冷、直流400V、出力215kW(260hp)/5,000 - 6,000rpm、トルク488Nm(49.7kgf・m)/0 - 7,200rpm、最高回転数14,000rpmの仕様のものをリアオーバーハングの低い位置に搭載し後輪駆動する。組み合わされる変速機はギア比2.65:1の1速永久固定、ファイナルドライブのギア比は3.12:1で、最高速度201km/h、0 - 60mph(≒0 – 100km/h、いわゆる「ゼロヒャク」)加速は4.9秒と発表されている。 後述する既存のデロリアンをハンドメイドでEV化するものとは異なり、当初からEVとして販売を予定していた。 愛知県豊橋市に DMC Japan があり、DMCからのライセンス供与を受け、修理や輸入代行を行っている。DMCevの輸入代行と国内適合も行なう予定である。 2017年のドキュメンタリー番組『スーパーカー大改造』シーズン2エピソード7話でスティーブン・ウィンから番組に新生デロリアンの参考となるプロトタイプの製作を依頼された。このエピソードではスティーブン・ウィンが所持するDMC-12をベース車として外装と内装デザインのアレンジが行われた。
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