BharOS
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/09/16 03:18 UTC 版)
開発者 | JandK Operations Private Limited, IIT マドラス |
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OSの系統 | Android(Linux) |
開発状況 | 開発中 |
ソースモデル | プロプライエタリ |
最新安定版 | BharOS 1 |
対象市場 | スマートフォン |
使用できる言語 | インド英語, ヒンディー語, オリヤー語, パンジャーブ語 |
プラットフォーム | AArch64 |
既定のUI | GUI(マルチタッチ) |
BharOS(旧称 IndOS[1])は、IIT マドラスによって設計されたプロプライエタリのモバイルオペレーティングシステムである[2]。インド政府が資金提供するプロジェクトであり、政府や公共システムで使用するためのオペレーティングシステムを開発することを目的としている[3]。
歴史
GoogleはAndroidに関するその慣行についてインド競争委員会(CCI)からの取り締まりに直面しており[4]、販売に対して法外な手数料を課さないインドのアプリストアの必要性が複数回求められてきた[5]。BharOSは、スマートフォンにおける外国製オペレーティングシステムへのインドの依存を減らしてインド製技術の利用を促進することを目指し[6]、IITマドラスでインキュベートされたJandK Operations Private Limited(JandKops)によって開発された[7]。電気通信・情報技術大臣のアシュウィニ・ヴァイシュナウと教育大臣のダルメンドラ・プラダンがこのオペレーティングシステムを公開イベントで発表した[8][9][10]。
機能
BharOSはセキュリティを重視する団体をターゲットとしている[11]。BharOSにはあらかじめサービスやアプリはインストールされていない[12]。このアプローチにより、ユーザーはデバイス上のアプリに対して利用可能な権限をより自由に管理できるようになる。ユーザーは、デバイス上の特定の機能やデータにアクセスする必要があるアプリにのみ権限を付与することを選択できる[13]。同社は声明で、このソフトウェアは市販されている端末にインストール可能であり、ユーザーに安全な環境を提供すると述べている[14]。この新しいオペレーティングシステムは、セキュリティおよびプライバシー基準を満たすアプリを精選したリストである、組織専用のPrivate App Store Services(PASS)を通じて信頼されたアプリにアクセスできるようにする[13]。
パネルディスカッションにおいて、JandKopsのディレクターであるカルティク・アイヤーは、閉じられたグループネットワーク内のBharOSデバイスには適用可能なセキュリティアップデートのみが適用されると述べた[15]。
批判
『インディア・トゥデイ』に寄稿したディヴィヤ・バティは、対応デバイスへのBharOSのダウンロードやインストールに関する手順、新しいデバイスに関する計画、セキュリティやソフトウェアアップデートのサポートについての情報が乏しいと指摘した[13]。
2023年9月、BharOSへの言及を含むGrapheneOSのフォークがGitHub上で公開され[16]、BharOSは独自開発ではなく既存OSの改変に過ぎない可能性が指摘された。IITM Pravartak Technologies Foundationは、ツイートを通じて、そのコードがJandKopsとは無関係なチェンナイのソフトウェア企業Megam Solutionsに由来するものであると特定した。ただし、IITM Pravartak Technologies FoundationはMegam Solutionsのクライアントである[17]。その後のツイートで、同財団はMegam SolutionsのCEOとのやり取りを紹介し、「BharOS」という名称は意図せず使用されたものであると強調した[18]。
アイヤーは、組織的な理由により同オペレーティングシステムはクローズドソースのままであり、BharOSのソースコードをオープンにするかクローズドにするかの決定権は自分にはないと述べた[19]。
脚注
- ^ Sharwood, Simon (2023年1月25日). “Well that escalated quickly: India demos homebrew mobile OS”. The Register. 2023年9月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年9月16日閲覧。
- ^ “Indian govt aims to build Aatmanirbhar chipset and BharOS to take on Google, Apple”. India Today (2023年1月25日). 2023年1月26日閲覧。
- ^ “'BharOS', Made-In-India Operating System, Tested. Check Out Its Features”. NDTV.com. 2023年1月26日閲覧。
- ^ “ETtech Explained: what is government-backed BharOS and why is it important?”. The Economic Times. (2023年1月25日) 2023年1月26日閲覧。
- ^ “'BharOS' vs Android: India Needs Not Just a Self-Reliant but Reliable Operating System”. The Wire. 2023年1月26日閲覧。
- ^ Aulakh, Gulveen (2023年1月25日). “BharOS ready for launch; govt, private firms do a reality check”. mint. 2023年1月26日閲覧。
- ^ “IIT-Madras Incubated Firm Develops Indigenous Mobile Operating System”. NDTV.com. 2023年1月26日閲覧。
- ^ @EduMinOfIndia (19 January 2023). “Paving a way for Atmanirbhar Bharat!”. X(旧Twitter)より2025年9月16日閲覧.
- ^ “Can India's BharOS replace Android, iOS? Tough road ahead” (2023年1月25日). 2023年1月26日閲覧。
- ^ “BharOS: Vaishnaw, Pradhan test 'Made In India' mobile operating system developed by IIT Madras”. The Economic Times (2023年1月24日). 2023年1月26日閲覧。
- ^ “Open Sesame: BharOS makes it possible to break the stranglehold of Android. It requires support”. Times of India Blog (2023年1月26日). 2023年1月26日閲覧。
- ^ “What is BharOS, the new mobile operating system made in India that wants to take on Android?” (2023年1月25日). 2023年1月28日閲覧。
- ^ a b c Bhati, Divya (2023年1月23日). “BharOS, a new rival to Android? Here are all your question answered”. India Today. 2023年9月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年1月26日閲覧。
- ^ “IIT Madras-incubated firm develops BharOS, India's rival to android”. 2023年1月26日閲覧。
- ^ [REPLAY] BharOS Panel Discussion (英語). www.youtube.comより2024年4月7日閲覧.
- ^ “Leaked GitHub repo raises questions on IITM's BharOS: Story so far” (英語). Techcircle (2023年10月3日). 2023年10月8日閲覧。
- ^ “Megam Solutions” (English). megamsolutions.com. 2024年4月22日閲覧。
- ^ “IITM Pravartak on X” (英語). X (formerly Twitter). 2023年10月8日閲覧。
- ^ “Agam's Tech Tricks”. Telegram. 2024年4月7日閲覧。
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