MX_Linuxとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > MX_Linuxの意味・解説 

MX Linux

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/27 15:19 UTC 版)

MX Linux
MX-21 "Wildflower"
開発者 MX Dev Team
OSの系統 Unix系
開発状況 開発中
ソースモデル FOSS
初版 2014年3月24日 (2014-03-24)
最新安定版 23.5[1]  / 2025年1月13日 (45日前)
使用できる言語 多言語
アップデート方式 LTS
パッケージ管理 APT MXパッケージインストーラー他
プラットフォーム i686AMD64
カーネル種別 モノリシック
既定のUI XfceFluxboxKDE
ライセンス Linux Foundation Sublicense No. 20140605-0483
ウェブサイト mxlinux.org
テンプレートを表示

MX Linuxは、中量級のLinuxディストリビューションで、Debian安定版がベースになっている。また、MXコミュニティによって作られ[2][3][4][5][6][7][8][9][10][11][12]、パッケージングされた追加のソフトウェアと共に、antiXのコンポーネントを用いている。MXは、antiXと以前のMEPISコミュニティの間の協力的事業として開発されており、それぞれのディストリビューションからベストなツールと特色を用いることを狙っている。コミュニティは、プロジェクトのゴールについて”洗練されて効果的なデスクトップ環境を簡単な設定と高い安定性[13]、強固なパフォーマンスに結びつける"[14]ことだと述べている。MX Linuxは、XfceKDE Plasmaを用いており、他の環境も後から加えることができると共に、"スピンオフ"ISOイメージとしても入手できる。

MX LinuxのMXは、MEPISの最初の文字MとantiXの最後の文字Xに由来する。これは2つのディストリビューションの協力的事業を表す[15]

歴史

MX Linuxは、2013年の12月に、MEPISコミュニティのメンバーの間で行われた将来のオプションに関する議論の中で始まった[15]。これにantiXの開発者たちが加わり、ISOビルドシステムに加え、Live USB/DVDの技術を持ち込んだ。DistroWatchに掲載されるために、MX Linuxは最初antiXのバージョンであると提示された。MXは、その独自のDitroWatchのページをMX-16の最初のパブリックベータのリリース(2016年11月2日)に受け取った。

MX-14シリーズは、Debian安定版(コード名 wheezy)に基づいており、最初はXfce 4.10、その後14.4のリリースに併せてXfce 4.12を用いた。MX-14のバージョンは、CDにフィットするように意図されて構築されており、限られたアプリケーションのみがふくまれるという制限があった。このシリーズでは、しばしば複雑で不透明なものとなる一般的なタスクを行うユーザーを助けることを意図してデザインされた、手軽なユーティリティのコレクション、MXツールの漸進的な進化を見て取ることができる。

MX-15は、Debian安定版(jessie)にベースを移し、systemd-shimを使うものとなった。これは、systemdをインストールするものの、デフォルト(既定)のinitsysvinitであることを意味する[15]。サイズの制限は上がり、ユーザーにフルターンキーの製品を示すことを開発者に可能にした。また、本質的なMXツールの拡張が行われた。

MX-16は依然として、Debian安定版(jessie)に基くものの、アプリケーションは、他のソースからのものも含め、多くがバックポートされ、また加えられた。また、MXツールへの追加や改善が行われた。これには、antiXの開発成果の受け入れや、拡張されたサポート、完全に新しいアイコン、テーマ、壁紙の組み合わせが含まれる。

MX-16.1には、MX16以降のバグ修正と改善が含まれる。また、同リリースには、新しいキングフィッシャーテーマの追加や、更新されたMXツール、改善されたドキュメンテーションや、新しい翻訳の成果が含まれる。

MX-17は、そのベースをDebian 9(stretch)に変更し、アップグレードされたアートワークや、新しいMXツール、antiXを通じて進歩したライブ・オペレーションなど、MX Blogに詳細が書かれた変更が含まれる。

MX-18では、MXツールの開発が進められ、最新のカーネルの導入、ディスク全体の暗号化、MX Boot オプションを通じて機能するGRUBのテーマやスプラッシュ画面が追加された。また、新しいアートワークや改善された翻訳も含まれている。詳細はMX Blogに記載されている。

MX-19は、そのベースをDebian 10(buster)にアップグレードし、デフォルトのデスクトップ環境もXfce 4.14に更新された。このバージョンは、新しく改善されたツール、アートワーク、ドキュメンテーション、翻訳、技術的要素によって特徴づけられる。詳細はMX Blogを参照。

MX-21は、そのベースをDebian 11(Bullseye)に移行し、KDEFluxboxのデスクトップ環境も公式にサポートされた。詳細はMX Blogを参照。

MX-23は、そのベースをDebian 12(bookworm)に移行し、ライブ ブート メニューの最上位メニューには、よりわかりやすい「メディアのチェック」機能が追加された。主要なデスクトップ環境はXFce 4.18、Fluxbox 1.3.7、KDE/plasma 5.27が公式にサポートされた。詳細はMX Blogを参照。

特徴

MX Linuxは、UEFIコンピュータで使えるインストーラーや、Linuxカーネルを変更する手段、AntiXのコアプログラム群などのような基本的なツールを備えている。しかしMXは、MXツールと呼ばれるユーザー志向のツール群を配布していることによって、他のディストリビューションから区別される。これらのツールは、antiXの既に存在するアプリケーションや、antiXのアプリケーションからフォークしたものを含むが、特にMXのために開発されているものである。

一例としては、MXスナップショットを挙げることができる。これは、ライブシステムまたはインストールしたシステムを、単独の.ISOファイルにリマスターするGUIのツールである。この"クローンされた"イメージは、簡単かつ便利に、全ての設定を保ったまま、起動可能なディスクやUSBドライブからの起動を可能にするものである。この方法では、システム管理的な努力なしに、便利にシステムの移行や配布を行うことができる。MXスナップショットはまた、インストールされたシステムの完全で便利なバックアップとしても使うことができる。

評価

ランキングの推移について

DistroWatch は、オープンソースの OS を紹介しているサイトである。各々の OS のページの閲覧数を掲載しており、近年はランキング上位の位置を占めるようになった。2020年4月6日現在、すでに第1位にある。

2024年12月時点ではLinux Mintに抜かれ、現在は2位になっている

ユーザーの評価

DistroWatch には、Linuxディストリビューション毎にユーザーのレビューが掲載されている。MX Linuxについても読者のレビューがある。

プロジェクトの組織構成

MX 開発チームは、様々な経歴、才能、興味を持ったボランティアのグループで構成されている。以下の各々の担当は、開発チーム内での年次投票で決められている[15]。(以下は2020年4月1日現在)

開発チームについて

リーダーシップ

  • Adrian
  • Dolphi_Oracle
  • Jerry3904

主要チームリーダー

  • チーム代表: anticapitalista
  • アート関係担当: asqwerth
  • ウェブサイト担当: peregrine
  • フォーラム担当: richb
  • パッケージ担当: Stevo

リリースの種類

MX コミュニティが独自にリリースするリポジトリには、MXメイン版や MXテスト版、MX-ahs版がある。また、MX のシステムには、Debian やサードパーティーがリリースする複数のリポジトリを組み込み、共用することが可能なようにしている。ただし基本的には、ライブラリの依存関係などの問題でシステムの不具合発生を招かないようにするため、Debian安定版だけを利用することが推奨されている。

MX パッケージチームは、ユーザーが新しいグラフィックスタックやファームウェアのようなものをインストールできるように、メインリポジトリの特別なセクションに取り組んできた。これには、更新された mesa パッケージや xorg ドライバなどが含まれている。また、様々なグラフィックアクセラレーション・パッケージや、それらを利用できるアプリケーションのアップデートもある。このリポジトリを MXでは "Advanced Hardware Support" または "ahs" と呼んでいる。[16]

  • MXメイン版
  • MXテスト版
  • MX-ahs
  • Debian安定版
  • Debianバックポート
  • マルチメディアリポジトリ
  • Flatpakリポジトリ

対応アーキテクチャ

MX では、以下のようなアーキテクチャに対応したバイナリ版を作成している。

  • AMD64 (amd64/x86-64)
  • x86 (i386/IA-32)

リリース/バージョン履歴

バージョン[17] 正式な公開日[17] 対応する Debian LTS サポート期限 ベースとなった Debian
MX-23.4(all) 2024年9月15日 2028年(予定) Debian 12.7 (Bookworm)
MX-23.3(all) 2024年5月19日 2028年(予定) Debian 12.5 (Bookworm)
MX-23.2 (all) 2024年1月21日 2028年(予定) Debian 12.4 (Bookworm)
MX-23.1 (all) 2023年10月15日 2028年(予定) Debian 12.2 (Bookworm)
MX-23 (all) 2023年7月31日 2028年(予定) Debian 12.1 (Bookworm)
MX-21.3 (all) 2023年1月15日 2026年6月 Debian 11 (Bullseye)
MX-21.2 (all) 2022年8月28日 2026年6月 Debian 11 (Bullseye)
MX-21.1 (all) 2022年4月9日 2026年6月 Debian 11 (Bullseye)
MX-21 (all) 2021年10月21日 2026年6月 Debian 11 (Bullseye)
MX-19.4 (all) 2021年3月31日 2024年6月 Debian 10 (buster)
MX-19.3 (all) 2020年11月11日 2024年6月 Debian 10 (buster)
MX-19.2 KDE 2020年8月16日 2024年6月 Debian 10 (buster)
MX-19.2 2020年6月1日 2024年6月 Debian 10 (buster)
MX-19.1 2020年2月14日 2024年6月 Debian 10 (buster)
MX-19 2019年10月21日 2024年6月 Debian 10 (buster)
MX-18.3 2019年5月26日 2022年 Debian 9 (stretch)
MX-18.2 2019年4月7日 2022年 Debian 9 (stretch)
MX-18.1 2019年2月9日 2022年 Debian 9 (stretch)
MX-18 2018年12月20日 2022年 Debian 9 (stretch)
MX-17.1 2018年4月14日 2022年 Debian 9 (stretch)
MX-17 2017年12月15日 2022年 Debian 9 (stretch)
MX-16.1 2017年6月8日 2020年 Debian 8 (jessie)
MX-16 2016年12月14日 2020年 Debian 8 (jessie)
MX-15 2015年12月24日 2020年 Debian 8 (jessie)
MX-14.4 2015年3月22日 サポート終了 Debian 7 (wheezy)
MX-14.3 2014年12月3日 サポート終了 Debian 7 (wheezy)
MX-14.2 2014年6月30日 サポート終了 Debian 7 (wheezy)
MX-14.1.1 2014年6月18日 サポート終了 Debian 7 (wheezy)
MX-14 2014年3月24日(PAE)
2014年3月27日(non-PAE)
サポート終了 Debian 7 (wheezy)

関連項目

出典

外部リンク


「MX Linux」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「MX_Linux」の関連用語

MX_Linuxのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



MX_Linuxのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのMX Linux (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS