Nobara Linux
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/05 00:27 UTC 版)
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開発者 | Thomas Crider |
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OSの系統 | Unix系, Linux, Red Hat Linux, Fedora |
開発状況 | 開発中 |
ソースモデル | FOSS |
初版 | 2022年7月10日 |
最新安定版 |
42 ![]() |
リポジトリ |
github |
対象市場 | ゲーマーやコンテンツクリエイター重視。 |
使用できる言語 | 英語日本語対応は不明。 |
パッケージ管理 | DNF |
プラットフォーム | x86-64, ARM |
カーネル種別 | モノリシックカーネル |
影響を受けたOS | Fedora |
既定のUI | KDE Plasma |
ライセンス | GPL |
ウェブサイト |
nobaraproject |
サポート状況 | |
サポート中です。 |
Nobara Linux(ノバラ・リナックス)は、Fedora Linuxをベースにしたオープンソースの Linux ディストリビューション。ゲーミングやコンテンツ制作に特化し、ユーザーフレンドリーな設計が特徴。
このプロジェクトは、Red Hat の元ソフトウェアメンテナンスエンジニアであり、Proton-GEの開発者としても知られるThomas Crider(別名 GloriousEggroll)が主導し、2022年7月10日に初版がリリースされた[1]。
Nobara Linux は、Fedora の安定性を活かしながら、ゲームプレイやストリーミングに必要な WINE、Proton、OBS Studio、NVIDIA および AMD のドライバ、各種メディアコーデックなどを標準搭載している[2]。
さらに、AppArmorを採用し、セキュリティ管理を直感的に行えるよう設計されている。カーネルにはZenパッチやOpenRGB、Steam Deckへの対応など、パフォーマンス向上のための最適化が施されている[2]。
リリースの歴史
Nobara Linuxの初版は、2022年7月10日にリリースされた。その後、継続的なアップデートと改善が行われ、最新リリースは2025年1月1日に公開されている。リリースの進化の過程では、ユーザーのフィードバックを反映し、ゲームやクリエイティブ作業に必要なツールの追加やパフォーマンスの最適化が行われている[3][出典無効]。
このディストリビューションは、Fedoraのコードベースを利用しながらも独立したプロジェクトとして運営されており、初心者からパワーユーザーまで幅広い層に対応する設計が特徴[4][出典無効]。
特徴
- カーネルバージョン:Nobara Linuxは、Fedoraの最新安定版カーネルを使用している。2025年現在では、バージョン6.x系列のLinuxカーネルが採用されている。このカーネルは、ゲームやクリエイティブ作業を行うユーザー向けに適切なパフォーマンスとハードウェアサポートを提供する[5][6][7][8]。
- GUIツールキット:GNOMEデスクトップ環境をデフォルトとして使用し、GTK(GIMP Toolkit)を中心としたグラフィカルユーザーインターフェースを構築している。また、ユーザーの好みに応じてKDE Plasmaなどの選択肢もサポートしている[9][10]。
- パッケージ管理システム:Fedoraに基づいているため、RPMパッケージ管理システムが使用されている。追加のソフトウェアやゲームツールは、DNF(Dandified Yum)を介して簡単にインストールできる[11]。
比較と競合
他のディストリビューションとの違い
Nobara LinuxとFedoraの関係:Nobara Linuxは、Fedoraを基盤としたディストリビューション。そのため、Fedoraが持つ安定性、セキュリティ、最新技術への対応能力を継承している。しかし、Nobara Linuxは対象としているユーザーが違うという点でFedoraと異なる。
他の類似Linuxとの比較
ディストリビューション | 特徴 | Nobara Linuxとの差別化点 |
---|---|---|
Ubuntu | 初心者向け、Debianベース | NobaraはFedoraベースであり、最新技術対応が早い。ゲーマー向けに特化したプリインストールソフトが多い。 |
Arch Linux | 軽量でカスタマイズ性が高い | Archはすべてを手動で設定する必要があるが、Nobaraは事前設定済みで初心者に適している。 |
Manjaro | Archベース、使いやすい設定済み版 | Nobaraは特にゲームやクリエイティブ分野に特化しており、特定のユースケースに対する最適化が優れている。 |
評価と課題
Distrowatch
2025年4月現在、Nobara LinuxはDistrowatchで13位にランクインしている。このランキングは、Nobara Linuxがユーザーにとって魅力的な選択肢であることを示しており、特にゲーマーやクリエイティブユーザーに支持されていることを反映している。Distrowatchのランキングは、ディストリビューションの人気や注目度を測る指標として広く利用されている。
現状の課題
- ドライバの互換性: 特に古いGPU(例: NVIDIAのTuring以前のモデル)において、ドライバの設定が手動で必要になる場合がある。
- テーマの安定性: KDEテーマにおける「Rounded Corners」機能がユーザー体験に悪影響を与える問題があり、現在はデフォルトから除外されている。
- アップデートの遅延: 新しいバージョンのリリースにおいて、バグ修正や機能追加のために予定が遅れることがある。
- FlatpakとSnapの統合: FlatpakやSnapのサポートが改善されつつあるが、完全な統合にはまだ課題が残っている[12][13]。
出典
- ^ McGinty, J. T. (2022年10月25日). “Nobara Linux: A Bleeding-Edge Gaming Distro for Linux Beginners” (英語). MUO. 2025年5月5日閲覧。
- ^ a b “7 Reasons to Choose Nobara Linux Over Fedora – The Droid Guy”. thedroidguy.com. 2025年5月5日閲覧。
- ^ “Nobaraとは?ゲーマーとクリエイター向けに最適化されたFedoraベースのLinuxディストリビューション”. PC-FREEDOM (2024年8月28日). 2025年4月6日閲覧。
- ^ “Nobara プロジェクト: Fedora Linux を初心者にも使いやすく!”. PC-FREEDOM (2023年4月29日). 2025年4月6日閲覧。
- ^ “DistroWatch.com: Nobara Project”. 2025年4月6日閲覧。
- ^ “Linux 6.8 では、パフォーマンスの向上、新しいハードウェアおよび Intel Xe ドライバーのサポートが導入されています”. 2025年4月6日閲覧。
- ^ “Linux 6.6 はパフォーマンスを向上させ、新しいハードウェアのサポートを追加します”. 2025年4月6日閲覧。
- ^ “「Linux 6.13」が正式公開--メジャーリリースではないが重要なアップデートを多数搭載”. ZDNET Japan (2025年1月27日). 2025年4月6日閲覧。
- ^ “Switching to KDE” (英語). Nobara Project Wiki. 2025年4月6日閲覧。
- ^ “Nobara 38 KDE をインストールしました”. INSUKO.NET (2023年7月2日). 2025年4月6日閲覧。
- ^ aspz (2023年1月6日). “Which package manager does Nobara use and how do I use it to install packages?”. r/NobaraProject. 2025年4月6日閲覧。
- ^ “2025 – Nobara Linux | The Nobara Project” (英語) (2025年1月2日). 2025年4月6日閲覧。
- ^ “2024 – Nobara Linux | The Nobara Project” (英語) (2024年7月17日). 2025年4月6日閲覧。
関連項目
外部リンク
- Nobara_Linuxのページへのリンク