Adaptive Platform
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/11 08:49 UTC 版)
「AUTOSAR」の記事における「Adaptive Platform」の解説
新しいユースケースに対応するためAdaptive Platformの開発が行われた。代表例は運転者が一時的あるいは部分的に運転を車に任せる高度自動運転である。これには交通インフラ(例. 標識、信号)、クラウドサーバ(例.最新の交通情報や地図データへのアクセス)、並列処理を行うマイクロプロッセサや高性能コンピューティングハードウェア (例.GPU)が必要である。 Car-2-Xアプリケーションでは、車とオフボードシステムとの連携が必要である。これにはセキュアオンボード通信、クロスドメインコンピューティングプラットフォーム、スマートフォン連携、非AUTOSARシステムとの結合などが必要になる。 またクラウドベースのサービスには、クラウドとのやりとりや、緊急車両の運行支援など、セキュリティの専用手段が必要である。これらはリモート診断やOTA(Over The Air)によるソフトウェア更新、修理交換支援などのリモート分散サービスを可能にする。 アプリケーションの動的な配置と、ハイエンドな計算パワーを要するアプリケーション向けの環境を提供するために、AUTOSARは現在AUTOSAR Adaptive Platformの標準化を進めている。その中核となるのはPOSIX標準である。オペレーティングシステムはIEEE1003.13 (PSE51)に従いPOSIXのサブセットを介してアプリケーションから使用することができる。 Adaptive Platformの主要機能はサービス指向通信である。 Adaptive Platformではサービス(Services)とアプリケーションプログラミングインターフェース(APIs)の2種類のインターフェースが使用できる。プラットフォームはFunctional Clustersと呼ばれる機能グループで構成されており、Functional ClustersはServicesとFoundationにグループ分けされる。 Functional Clustersの定義は以下: Adaptive Platformの機能をアセンブル クラスタリング毎にRequirements Specification(RS)を定義 アプリケーションとネットワークの観点でソフトウェア・プラットフォームの振る舞いを規定 ただし、最終的なソフトウェア設計は制約しない AUTOSAR Adaptive Platform FoundationにおけるFunctional Clustersは(仮想)マシン毎に少なくとも1つのインスタンスを持つ必要があるが、Servicesは車内のネットワークに分散させることができる。 Adaptive PlatformのServicesには以下が含まれる。 Update and Configuration management (ソフトウェアの更新管理) State Management (状態管理) Network Management (ネットワーク管理) Diagnostics (診断) AUTOSAR Adaptive Platformの成果物は仕様書とコードの両方が含まれている。Classic Platformと比較して検証サイクルの短縮と、基本的なコンセプトを説明するためにコードを実装開発している。 この実装はすべてのAUTOSARパートナーが利用可能である。
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