AIM-120D
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/09 01:40 UTC 版)
「AIM-120 (ミサイル)」の記事における「AIM-120D」の解説
最新型で2015年4月にアメリカ海軍において初期作戦能力を獲得した。初の海外顧客はオーストラリアで2016年4月に輸出承認された。主な改良点は電子防護機能強化、射程と精度向上のためのGPS/IMU(衛星航法システム/慣性航法ユニット)の装備、双方向データリンクの装備、目標の回避ゾーンをなくすための運動エネルギー強化である。射程は従来型比で1.5倍に向上、マッハ4の速度で飛翔して100nm程度とも言われている。その他キネマティック性能と兵器の有効性を向上させる新誘導ソフトウェアを導入し、高角度でのオフボアサイト射撃に最適化されている。 システム改善プログラム 2015年からはパフォーマンス向上のために設計されたいくつかのフォローオン・プログラムの1つとしてシステム改善プログラム(System Improvement Program、SIP-1)の運用テストが開始された。SIP-1のテストは2016年に完了したが、有効性と適合性の評価は保留中である。 2016年からはSIP-2運用テスト計画が進行中で、こちらは2017年から2018年に終了する予定。 2017年9月7日、レイセオンはSIP-3の製造および開発のため3,860万ドルの契約を受けた。 フォームフィット機能更新プログラム レイセオンはフォームフィット機能更新プログラム(F3R)の元、新しいシグナルプロセッサを開発している。これはミサイルのガイダンスセクションの約半分を占める15枚の回路カードに影響するもので長年の生産と集積回路の開発の問題により技術の更新に遅れ陳腐化したAMRAAMの生産を2020年代に確実にするために実施されるものである。AIM-120のソフトウェア開発者はF3Rは2年以内に導入する準備が整うとしており、これにより新技術やアプリケーションを開発するためのより強力なプラットフォームを提供することになるとしていた。しかし、2017年7月にアプリケーション固有の集積回路(ASIC)が原因で遅れていることが報告されている。空軍と海軍は、レイセオンがASICの設計上の問題を解決できることを期待しているが問題により、2018年度の購入数を減少させており、加えてレイセオン自身も2019年度の設計のアップグレードを削減する予定でありキーとなる試験も1年遅れている。レイセオンの担当者は2017年6月のパリ航空ショーにおいて「修正案を見つけ出し、すべてが順調である」と述べたが、問題をどのように解決したかは顧客の敏感さを踏まえ特定しなかった。
※この「AIM-120D」の解説は、「AIM-120 (ミサイル)」の解説の一部です。
「AIM-120D」を含む「AIM-120 (ミサイル)」の記事については、「AIM-120 (ミサイル)」の概要を参照ください。
- AIM-120Dのページへのリンク