メンデルスゾーン:7つの性格的な小品
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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メンデルスゾーン:7つの性格的な小品 | 7 Charakteristische Stücke Op.7 U 44, 55, 56, 59-62 | 作曲年: 1827年 出版年: 1828年 初版出版地/出版社: Laue, Berlin |
楽章・曲名 | 演奏時間 | 譜例![]() |
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1 | やさしく感情をこめて ホ短調 "Sanft und mit Empfindung" | 3分00秒 | No Image |
2 | 激しい動きで ロ短調 "Mit heftiger Bewegung" | 2分00秒 | No Image |
3 | 力強く燃えるように ニ長調 "Kraftig und feurig" | 3分30秒 | No Image |
4 | 速く軽快に イ長調 "Schnell und beweglich" | 3分30秒 | No Image |
5 | フーガ-まじめに、しだいに生気を加え イ長調 "Fuge - Ernst und mit steigender Libhaftigkeit" | 7分30秒 | No Image |
6 | あこがれに満ちて ホ短調 "Sehnsuchtig" | 3分00秒 | No Image |
7 | 軽やかに ホ長調 "Leicht und luftig" | 4分00秒 | No Image |
作品解説
1927年~29年にかけて作曲された。ピアノの師である、L.ベルガーに献呈された。対位法的な手法が多くみられ、バッハからの大きな影響がみられる。
1. やさしく感情をこめて ホ短調 / op.7-1 "Sanft und mit Empfindung"
バッハを想起させるもの悲しい旋律が、やさしく感情をこめて歌われる。4声体であるので、各声部ごとの音の動きを意識し、バランスに気をつけながら、主要な旋律をたっぷりと奏するようにしたい。
2.激しい動きで ロ短調 / op.7-2 "Mit heftiger Bewegung"
冒頭から広い音程で16分音符が激しく動くが、主要な音の動きを浮き立たせて弾く必要がある。また、同じ音形が続くことで、緊張感が高まっていくが、ここでは、奏法がパターン化しないように注意が必要である。フレージングにあわせてエネルギーの使い方や呼吸のタイミングを工夫するとよいだろう。
3.力強く燃えるように ニ長調 / op.7-3 "Kraftig und feurig"
フーガの技法が用いられている。多声でかかれてはいるが、和音によって音が動く場合が多いため、比較的弾きやすくなっている。和音は、横の動きとともに、縦の音程のバランスにも注意を払いたい。
4.速く軽快に イ長調 / op.7-4 "Schnell und beweglich"
冒頭の16分音符は、パラパラとしたタッチで速く軽快に。中間部はそれとは対照的にマルカートで力強く展開していき、広がりのある響きをつくる。
5.フーガ-まじめに、しだいに生気を加え イ長調 / op.7-5 "Fuge - Ernst und mit steigender Libhaftigkeit"
7曲中、最も長く、8分弱の演奏時間を要する。メンデルスゾーンがタイトルをつけているように、フーガの技法によってかかれている。それぞれの声部で主題が模倣されながら、穏やかに曲が進む。前半は長音音符が目立つが、それらが縮小されることで、しだいに生気を増していく。最後は、完全に和音による音の動きに変わり、力強く曲を閉じる。
6.あこがれに満ちて ホ短調 / op.7-6 "Sehnsuchtig"
4声体でかかれており、憂いに満ちた旋律が旋律で静かにたっぷりと歌われていく。内声を充実させることで、より音楽的な表現ができるだろう。
7.軽やかに、風通しよく ホ長調 / op.7-7 "Leicht und luftig"
第6曲とは対照的な明るさをもった曲。冒頭から、8分音符が左右交互の手で非常に軽やかに奏される。また調が次々に変化することで、曲の面白みを増している。メンデルスゾーンらしい親しみをもった、愛らしい小品。
カルク=エーレルト:7つの性格的な小品
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