600V電化区間縮小に伴う淘汰
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「西武モハ101形電車」の記事における「600V電化区間縮小に伴う淘汰」の解説
長年にわたって他路線より独立した運行形態を保持した多摩湖線であったが、輸送力増強ならびに利便性向上のため架線電圧の1,500V昇圧および車両規格の拡大が計画され、1958年(昭和33年)9月には萩山 - 多摩湖間の1,500V昇圧工事が完成し、新宿線との直通運転が開始された。 昇圧工事完成に先立つ1958年(昭和33年)4月にはモハ104(3代)が本形式初の廃車となり、山形交通(現・ヤマコー)へ譲渡された。モハ104(3代)の除籍に伴ってクハ1114(2代)が再び電動車化されてモハ104(4代)と改番され、同時にクハ1115がクハ1114(3代)と改番されたが、同2両についてもクハ1114(3代)が同年8月に、モハ104(4代)が同年10月に相次いで除籍され、前者は山形交通へ、後者は羽後交通へそれぞれ譲渡された。 これら3両の除籍は架線電圧600V区間が国分寺 - 萩山間に縮小されたことに伴う余剰廃車名目であったが、同時期の利用客増加に対して残存車両のみでは対処できず、輸送力不足に陥ったことから、急遽新宿線より木造車クハ1251形1251をクハ1201形1201と改番の上で転属させたほか、前述クハ1121形2両を増備する一方、クハ1111 - 1113に対して1960年(昭和35年)11月に車体延長改造が施工された。改造後の同3両は全長13,900mmの3扉車体となり、窓配置はdD4D4D1と変化している。また、台枠流用車のクハ1111・1112については車体裾部の段差がなくなり、車体新製車のクハ1113同様に裾部が一直線形状となったが、台枠厚さが異なるため両者の判別は可能であった。 多摩湖線の架線電圧600V区間は、最終的にモハ101 - 103(いずれも2代)・クハ1111 - 1113(いずれも2代)・クハ1121・クハ1201の計8両によって運用されたが、1961年(昭和36年)9月の国分寺 - 萩山間の架線電圧1,500V昇圧完了をもって全車運用を離脱、1964年(昭和39年)までに全車除籍された。 なお、クハ1111・1112(いずれも2代)は運用離脱後の1962年(昭和37年)7月10日から同年8月20日にかけて松本電気鉄道(現・アルピコ交通)に貸渡され、同社上高地線の夏季登山客輸送に供された経歴を持つ。貸出に際しては同社保有の電動車との併結運転のため、運転台の主幹制御器(マスコン)を交換し、間接非自動制御(HL制御)対応の制御車へ改造の上で入線した。
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