2013年の接近
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「(367943) 2012 DA14」の記事における「2013年の接近」の解説
2013年1月9日、チリにあるラスカンパナス天文台によって再び2012 DA14が観測され、観測弧が79日から321日へと一気に長くなった。2013年2月15日19時25分(世界協定時、日本標準時では16日4時25分)に、2012 DA14は地球中心から0.0002276 au(34,050 km)を通過した。不確実性は約0.0000001 au(15 km)であった。 最接近時の地表からの距離は27,743 kmで、これは静止軌道よりも地表に接近したことになる。人工衛星の静止軌道よりも内側に入るが、静止軌道自体も地球とは充分離れており、地球に衝突する可能性は非常に低いと考えられており、実際地球そのものには全く影響は無かった。地球接近時の2012 DA14を観測するのに最も適していたのはインドネシアで、東ヨーロッパ、アジア、オーストラリアも最接近した2012 DA14の観測に適していた。日本では明け方の空に7等級の明るさで見えたため、肉眼で見るのは不可能であったが、手軽な観測機器があれば観測可能であった。しかし、移動速度が1度あたり1分、満月を30秒で横切る程度の早さであるため、視野にとらえるには事前の準備が必要であった。 2012 DA14は地球を周回するどの人工衛星にも1,950 km未満にまでは接近しないと予想されていた。2月16日から2月20日にかけて、ゴールドストーン深宇宙通信施設でレーダー観測が行われ、2012 DA14が長さ20 × 40 mの細長い形状をしていることが示された。これにより、2012 DA14は28 mの幾何平均(球形)直径を持つことになる。 この接近の間、2012 DA14の物理的性質に関する情報を得るために、4つの異なる観測所にある5つの望遠鏡を通じて行う観測キャンペーンが実施された。可視光線および赤外線での測光観測と可視光線での分光観測がカナリア大望遠鏡、ガリレオ国立望遠鏡(英語版)、カラル・アルト天文台で行われ、その観測結果がまとめられた。M4ASTと呼ばれるオンラインツールを使用した分類では、2012 DA14がL型小惑星という珍しいタイプに分類されることが示された。 観測された光度曲線から2012 DA14の正確な自転周期が求められ、8.95 ± 0.08時間という値が得られた。この値は、小惑星センターに報告された2012 DA14の全ての測光解析において確認された。また、地球接近前後のデータから、2012 DA14は地球に接近している間に自転が加速し、自転周期が9.8 ± 0.1時間から8.8 ± 0.1時間へと短くなったことが判明しており、光度曲線で推測された値とより互換性のある観測結果となっている。
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