2011年3月に旧みずほ銀行が引き起こしたトラブル
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「みずほ銀行」の記事における「2011年3月に旧みずほ銀行が引き起こしたトラブル」の解説
東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)直後の2011年(平成23年)3月15日(火曜日)未明、テレビ局が旧みずほ銀行東京中央支店に開設していた義援金受付口座への振り込み件数が、フロアリミッター設定上限数を超えたことにより、夜間バッチ処理が予定時刻の朝5時までに終わらず、約38万件の処理が積み残された。 この異常終了により、16日営業時間帯のオンラインシステム起動が遅れ、未処理の決済データがサーバに積み上がって勘定系システムが不安定になり、大規模なシステム障害へと発展した。ATMの一部が使用できなくなり、さらに処理の積み残しが増えていくという悪循環に陥り、17日には勘定系システムが強制終了した。ピーク時には116万件(約8296億円)の未処理取引を発生させた。 旧みずほ銀行側は後に、具体的な原因について、「東日本大震災義援金の振り込みの一部店舗への集中」と説明した。 また、この際、事後処理として二重に振り込まれた金銭の回収を行ったが、確認を怠り、事前連絡なしに正規の振り込みまで回収していたことが発覚した。 他、このトラブルに便乗し、同行が顧客に対して行った臨時支払いを悪用して25万円を騙し取ったとして、詐欺罪容疑での逮捕者が出ている。この被疑者は、同行の店舗数店から、合計で百数十万円を騙し取った疑いがある。 旧みずほ銀行は、3月19日(土曜日)から3月21日(月曜日・春分の日)の3連休期間中に、全ATMを休止して、バッチ処理の積み残しを処理したが、障害が収束した3月24日まで、9日間に渡ってシステム障害が続いた。 このシステムトラブルで、金融庁から同年5月31日に、銀行法に基づく「業務改善命令」が、旧みずほ銀行の親会社であるみずほフィナンシャルグループと伴に下された。業務改善命令の理由として、システムのコンティンジェンシープランの整備や情報技術投資戦略、適材適所の人材配置やグループ内連携態勢などで、みずほ経営陣の機能発揮に問題があるとし、みずほフィナンシャルグループの一体感の醸成への取り組みが十分でなく、みずほの企業風土に課題があると指摘した。 この結果、頭取の西堀利とIT・システムグループ担当の常務執行役員萩原忠幸が6月20日付で引責辞任し、2度の大規模トラブルからの信頼回復、再発防止策として、グループ経営の効率化と意思決定の迅速化が必要と判断され、たすきがけ人事の解消、旧みずほ銀行・旧みずほコーポレート銀行の合併による「2バンク制」解消、勘定系システム全面刷新の要因となった。
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