2010年予算とNAMA論争
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「ブライアン・カウエン」の記事における「2010年予算とNAMA論争」の解説
2009年12月9日に発表されたカウエン政権の14ヶ月以内の3度目の予算は、国が債務超過に陥りかけているという現実に直面していた。2010年の予算は、国の赤字から40億ユーロが削減されたことから、アイルランド国内のみならず世界のコメンテーターからも厳しい言葉で評され、アイリッシュ・タイムズ紙は「国家史上最も緊縮的な予算」と評した。この予算の特徴は、公共部門の労働者の給与削減と社会福祉の削減であった。英国放送協会(BBC)によると、社会福祉の削減は1924年以来実施されていなかった。 2010年2月には、カウエンは、国家資産管理庁(NAMA)は、国際通貨基金(IMF)にもかかわらず、経済への信用の供給を増加させるだろうという主張を擁護した。カウエンは以前、NAMAを通じた銀行再編における政府の目的は、「この危機的な時期にアイルランドのビジネスにとってより多くの信用を得ることができるようにすること」であると述べていた。2009年9月には、ブライアン・レニハン財務大臣も同様の見解を示し、企業や家計への融資拡大につながると述べている。カウエンは、2009年4月にIMFがブライアン・レニハン財務大臣に対し、NAMAが銀行の融資の大幅な増加にはつながらないだろうと述べたことを受け、2月8日に発表された報道に対応したものである。 情報自由法に基づき公開された財務省の内部文書に掲載されているこの発言は、2010年5月にNAMAの取締役に就任する予定だったスティーブン・シーリグ国際通貨基金の高官によるものである。2009年4月29日に財務省で行われたブライアン・レニハンとIMF関係者とのプライベート会合の議事録には、「IMF(シーリグ)はNAMAがアイルランドの銀行融資の大幅な増加につながるとは考えていない」と記載されている。政府は、2009年4月に計画が発表されて以来、NAMAによる銀行からの不良債権を国債で買い取ることで経済の信用の流れが増えると主張してきたが、アイルランド政府はNAMAが銀行からの不良債権を国債で買い取ることで経済の信用の流れが増えると考えている。レニハンは、2009年9月のNAMA法の公表で、銀行の資金調達の立場を「強化・改善し、実行可能な企業や家計に貸し出すことができるようにする」と述べた。IMFは公表された報告書の中で、国内の銀行が最大350億ユーロの損失に直面すると試算しているが、同省は、この損失の一部は営業利益と一部の貸倒引当金で賄われると指摘している。
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