魚類の細菌性腎臓病菌 [Renibacterium salmoninarum]
症状が進むと腹部が膨満して体色が黒くなるほか、眼球の周りが出血したり眼球が飛びでる。内臓では腎臓ときに肝臓や脾臓に白点が生じて肥大し、病巣部には無数の病原菌が増殖して、組織は壊死(えし)して崩壊する。また、血液も著しく変化する。この魚病の感染経路としては、汚染された卵が疑われているがまだ適切な予防法がない。また、サルファ剤や抗生物質(エリスロマイシンなどのマクロライド群)が有効ではあるが、この病気が慢性的であること、病原菌が細胞内に寄生すること、潜伏期が長く病気発見時にはすでに多数の魚が感染していることなどから、この魚病の治療を困難にしている。
原因菌は偏性病原菌とされ、グラム陽性、好気性の運動しない小桿菌(0.3-1.0×1.0-1.5μm)である。多くは双桿状で、発育温度は15-18℃が最適であるが、特定の培地でもその発育に1ケ月もかかり、現在のところ、魚病細菌の中で最も培養が困難な細菌である。なお、レニバクテリウム属はこの細菌に与えられた新しい属である。サケ科魚類から分離された株は共通の抗原をもっている。病原因子としては致死毒素が研究されている。
魚類の細菌性腎臓病菌と同じ種類の言葉
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