香良洲梨
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/06 14:48 UTC 版)
特産の香良洲梨の品種は幸水である。2008年(平成20年)現在、三重県内で第3位の梨生産地を形成する。「香良洲梨部会」が生産農家によって結成され、2008年(平成20年)現在で40名が加入し、約18 haの梨園を営む。梨園は雲出川の堤防に沿った砂質土壌に広がる。 香良洲町の梨栽培は、1900年(明治33年)に当地の大地主が40 aの山林を開墾して栽培を始めたことを契機とする。1905年(明治38年)には生産者15人で生産組合を結成した。しかし、第二次世界大戦前までは組合員数20人程度、栽培面積8 haの状態が続き、本格的に梨栽培を活発化したのは戦後のことである。梨栽培が発展したのは、先覚者の技術指導に負うところが大きく、1970年代には組合員数86人、栽培面積30 haまで拡大した。 1975年(昭和50年)に川原地区でチオファネート耐性ナシ黒星病菌の出現によって壊滅的な被害を受けた。一方、同じ香良洲町内でも馬場地区では被害を免れた。こうした課題は乗り越えたものの、農家の高齢化が進み産地の維持が厳しくなってきたことから、2005年(平成17年)に「かがやきプロジェクト」が発足、後継者問題や販路拡大などについて検討している。そこで後継者候補として、香良洲小学校の児童らに収穫体験や香良洲梨の歴史や生産方法などの学習を提供している。香良洲小の体験学習により、小学生が香良洲梨をPRする看板を町内に設置して知名度向上が図られ、農家と児童の交流も行われるようになった。2007年(平成19年)には梨栽培から退いた梨部会員から梨園3 aを借り受けて「香良洲小学校体験学習園」とした。こうした一連の取り組みはテレビや新聞で報じられ、香良洲梨の認知度が高まった。
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