領土をめぐる争い
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/22 05:38 UTC 版)
大陸国境線は2000年代に入って画定したが、南シナ海にある南沙諸島(ベトナム語名チュオンサ諸島)・西沙諸島(ベトナム語名ホアンサ諸島)の領有権問題も抱えている(1988年には人民解放軍によるスプラトリー海戦によって、駐留していたベトナム人民海軍部隊を撃破され、ジョンソン南礁を占拠されている)。そのため、中華人民共和国に対する関係も悪く、南沙諸島の領有権問題で、普段は禁止されているデモも2007年12月に公安(警察)の取り締まりもなく、半ば公然と行われた。 また、九段線(通称:中国の牛の舌)の主張に基づき、中華人民共和国が南沙諸島と西沙諸島を含む南シナ海の島嶼部を「三沙市」として成立させたことに対して、ベトナム外務省は猛烈に抗議をし、ベトナム社会主義共和国は、領有するに十分な歴史的証拠と法的根拠を持っているという見解を示し、中華人民共和国の三沙市設置はベトナムの主権を侵害することであり、両国間合意に違反するとともに、中越両国が海洋領有問題解決を目指し開始した交渉を妨害するものである、と抗議した。2012年6月21日、ベトナムの国会は、南シナ海の南沙諸島・西沙諸島の領有権を定めた「ベトナム海洋法」を可決、これに対し中華人民共和国政府は強い抗議声明を発表、ベトナム社会主義共和国もまた、中華人民共和国外交部の抗議に対して「中華人民共和国の道理に反した批判は強く拒絶する」と非難する声明を発表した。 2012年5月から中華人民共和国で新規発行されたパスポートの査証ページ上に南シナ海の三沙市の行政区画が印刷されており、ベトナム社会主義共和国の領土主権を主張し実効支配している西沙諸島・南沙諸島を否定する図となっていることが発覚、ベトナム外務省は中華人民共和国に対して猛烈に抗議をし、新パスポート所持者に対しては、入国審査官が入国・出国スタンプの捺印を拒否、ベトナム政府が用意した別紙にて入国・出国スタンプを捺印することで、新しい中華人民共和国のパスポート上に捺印することを拒否している。 2014年には、ベトナムが主張する排他的経済水域において、中華人民共和国が石油掘削リグを設置したとして、中国海警がベトナム沿岸警備隊に、南シナ海で衝突されたことをベトナム政府が公表したことから、ベトナム国内で2014年ベトナム反中デモが起きた。2016年には緊張が続いていることから中国との国防省同士のホットラインを開設している。
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