雨量計の歴史とは? わかりやすく解説

雨量計の歴史

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/12 04:57 UTC 版)

雨量計」の記事における「雨量計の歴史」の解説

雨量計記述した世界最古の書は、紀元前4世紀頃に古代インドマウリヤ朝初代チャンドラグプタ王の宰相であり軍師だったカウティリア(KautilyaまたはChanakya, 紀元前350年-紀元前283年)の書いた実利論(Arthastra)」である。当時穀物種まき時期決めるために、直径45 cmの鉢で定期的に雨量観測された。 洪水悩まされていた中国では、数学者である秦九韶(1202-1261)が1247年数書九章」の中で、各地点に置かれ雨量計の値を使ってどうやって平均値を出すかを議論した李氏朝鮮では、1442年に第4代国王である世宗直径14 cm深さ30 cm青銅製の雨量計製作し、これが現存する最古雨量計とされている。この雨量計用いた観測朝鮮独立発達したもので、李氏朝鮮はこれを各地方配置することによって、世界初組織的観測網構築した 。この観測1907年まで宮廷報告されたとの記録がある。 ヨーロッパで記録残っている最古雨量計記述は、イタリア水理学者ベネデット・カステッリによるもので、雨量計水位測定するためのものだったイギリスでは、1662年建築家有名なクリストファー・レンがウェザークロック(自動気象観測装置)一部として雨量計設計した。これは転倒マス型で、溜まった一定量になると容器が傾いて中を空にする仕組みになっていた 。1677年頃にはイギリス数学者天文学者のリチャード・タウンリーが蒸発による誤差を減らすため漏斗型の雨量計開発した1695年にはロバート・フック同様の雨量計製作し、これはグレシャム・カレッジで数年間使われた 。 イギリス医師ウィリアム・ヘベルデンは、同じタイプ雨量計を庭と煙突の上ウェストミンスター寺院の塔の上の3か所に設置して調べたところ、庭の雨量に対して煙突の上80%、塔の上50%雨量しかないことを発見した。彼は雨粒地面到達する数百m前から成長するため、高度が低いほど雨量増えるではないか推測した。 これに対して経済限界効用理論提唱したことで有名なイギリスの経済学者ウィリアム・スタンレー・ジェヴォンズは、側面ガラス製の風洞作り、その中に雨量計置いて煙を流して観察し雨量計対す風の影響の実験行ったその結果から、1861年高所のように風が強い場所だと雨量計自身が風を強めて雨滴雨量計飛び越えるため、雨量計による雨滴補足率が下がることを発見した。これによって、雨量測定する際に風の影響を考慮しなければならないことがはっきりした気象庁では、雨量観測の際には建物屋上などを避けて風の影響がない場所を適切としており、雨量計設置場所近く建物がある場合にはその風の影響を避けるために少なくとも建物の高さの2倍以上、できれば4倍以上離れた所を推奨している 。

※この「雨量計の歴史」の解説は、「雨量計」の解説の一部です。
「雨量計の歴史」を含む「雨量計」の記事については、「雨量計」の概要を参照ください。

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