隋・唐とは? わかりやすく解説

隋・唐(589-907)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/03 13:08 UTC 版)

貴族 (中国)」の記事における「隋・唐(589-907)」の解説

北周から禅譲受けたであったが、その制度は斉制を継ぎ貴族制もまた受け継いだ595年開皇15年)に中正廃止され開皇年間581年-600年中には科挙制度確立された。これと平行して任子制もまた行われており、この頃では貴族任子によって官界入り科挙応じることはまずなかった。 隋から初唐においては旧斉に属す清河崔氏などの山東貴族が最高であり、その次が関隴集団らの鮮卑貴族、その次が琅邪王氏など南朝において長い伝統を誇る北来貴族、その下に置かれるのが呉郡陸氏など江南本貫とする南人貴族であった。 唐皇帝李氏は関隴系であるが、それでもなお山東系の家格上であるという意識強く残っていた。太宗貞観6年632年)に家格書物にまとめることを命じ、これによりできたのが『貞観氏族志』である。初め山東貴族である博陵崔氏の崔民幹一等とされ、唐李氏三等格付けされた。これに怒った太宗作り直し命じ李氏一等に、長孫氏らの唐の外戚二等に、山東貴族らを三等に付けた。 このように初唐では山東系を強く抑圧した形で関隴系が主導権握っていた。この状態を大きく崩したのが武則天である。武則天自身も関隴系の出身であるが、本流からは遠く女性の身で権力握ることへの反発もあり、関隴集団助力は受け難かった。そこで武則天は自らの手足として科挙官僚積極的に登用し、関隴系の権力切り崩しかかった。これにより関隴系の勢力減退せざるを得なくなり、それに代わって山東系とこの時代における貨幣経済伸張伴って勢力伸ばしてきた新興地主勢力とが官界二分するようになり、関隴系の存在小さなものとなった武則天後の玄宗は再び関隴集団登用する反動政治を行うが、玄宗自身退嬰とそれによって起きた安史の乱により頓挫した安史の乱大動乱の後、地方には藩鎮勢力割拠するようになる各地藩鎮勢力はその幕下優秀な人材集めるために辟召行った貴族層官僚出処進退司る尚書吏部支配下置いており、科挙官僚中央から排斥していた。そのような人物がこの藩鎮辟召を受けることとなる。その代表として韓愈挙げられる憲宗時期より関隴系の牛僧孺宗閔らと山東系の李徳裕らの争い勃発するが(牛李の党争)、その中で両派は自派勢力拡大するために盛んに辟召行いその結果として新興勢力進出はますます促進された。 さらに唐末の戦乱の中で貴族勢力壊滅的な打撃受けた。後に唐を滅ぼして後梁建てる朱全忠は、905年配下振から「かつて貴族たちは自ら清流自称していた。こいつらを黄河沈めて濁流してしまいましょう」という進言聞きその通り実行した白馬の禍)。この事件時点貴族勢力は完全に壊滅した考えられる北宋以降は、科挙官僚たちが完全に主導権握り、「士大夫」と呼ばれる新し支配層形成した

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