関空特快ウイング
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「関空快速・紀州路快速」の記事における「関空特快ウイング」の解説
1995年4月20日のダイヤ改正で登場し、1999年5月10日のダイヤ改正まで運行された列車である。阪和線における特別快速格の列車は、1978年に「新快速」が廃止されて以来、約17年ぶりの復活であった。さらに、目玉として指定席を1両設定した。 停車駅は大阪駅・天王寺駅・堺市駅・鳳駅・和泉府中駅・日根野駅・りんくうタウン駅。初期段階の報道では、停車駅は天王寺駅と日根野駅のみで、鳳駅とりんくうタウン駅は停車を検討中としていたが、関空快速の一部を置き換える形での運行が決定したことと、乗降客の多い堺市駅と和泉府中駅の乗車機会の減少を防ぐため、最終的にこれらの駅もすべて停車とされた。結果、当時の関空快速との停車駅の差は西九条駅・弁天町駅・新今宮駅・東岸和田駅・熊取駅の5駅となった。運転本数は、設定当初は日中に1時間ごとに下り7本・上り6本が設定されていたが、1996年3月16日に京橋行きを増発して7往復となった。 指定席は車掌による検札を容易にするため、両方向とも最後尾車両(上りは1号車、下りは6号車)とされ、「指定席」「自由席」(裏表入れ替え)の案内プレートが備えられた。また、後にJR難波駅発の関空快速にも指定席が設定された(クモハ223-100の運転台寄りにOCATチェックイン客用の荷物室を設置)。しかし、自由席と座席は変わらないため割高感もあって指定席の利用率は終始極めて悪く、また指定席であることを知らなかった客による誤乗も絶えなかったうえに自由席の混雑に拍車をかけたため、利用者からの苦情も多かった。 加えて、期待された大阪駅 - 関西空港駅の直通輸送でも、鉄道の定時性の高さをもってしても高速道路の渋滞の少なさから本数の多いリムジンバスより優位に立てなかっただけでなく、大阪環状線内は無停車であったためにこれも誤乗が多かった上に追い越しもできず続行運転となったため速達性を発揮できないなど、デメリットばかりが目立つようになったため、1999年5月10日のダイヤ改正で、阪和線の快速列車再編に伴い廃止された。なお指定席の設定は、JR難波発の関空快速では1998年10月のダイヤ改正で(その後荷物室を客室に復元)、関空特快「ウイング」では編成組み替えのため、ダイヤ改正前に順次廃止された。併せて、関空快速に号数を付す必要がなくなったため号数表記も止めている。
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