鉛の時代 (イタリア)とは? わかりやすく解説

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鉛の時代 (イタリア)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/23 18:38 UTC 版)

鉛の時代

抗議デモで警察に銃を向けるジュゼッペ・メメオイタリア語版。この画像は鉛の時代の象徴となった。
戦争冷戦
年月日1968年3月1日 - 1988年10月23日
場所イタリア共和国
結果:イタリア政府の勝利
  • テロ組織の解散
交戦勢力
イタリア共和国

支援

極左テロリスト
  • 赤い旅団 (1970–1988)
  • 最前線英語版イタリア語版 (1976–1981)
  • 10月22日 (1969–1971)
  • PAC (1976–1979)
  • 闘争は続く (1969–1976)
  • 労働者の力 (1967–1973)
  • 労働者自治運動 (1973–1979)

支援

極右テロリスト

支援

戦力
イタリア軍: 90,000人~ (1973)
NATO: 622人
赤い旅団: 数百人
最前線: 活動家及び協力者1,072人
10月22日: 25人
PAC: 60 人
労働者自治運動: 200人
新秩序: 10,000人
国民前衛: 600~2,000人
武装革命中核: 53人
第三の位置: 42人
損害
 イタリア
民間人:
公務員14人死亡

イタリア軍:

  • 空軍大将1人死亡
  • 兵士1人死亡
  • 2人負傷

カラビニエリ:

  • 15人死亡
  • 3人負傷

国家警察:

  • 32人死亡
  • 1人負傷

刑務警察:

  • 4人死亡

 アメリカ:

  • 陸軍将校1人誘拐
  • 外交官1人死亡

 イタリア: 計67人
 アメリカ: 計1人

赤い旅団:
  • 12,000人逮捕
  • 600人国外逃亡
  • 2人死亡
  • 1人負傷

最前線:

  • 5人死亡
  • 1人逮捕

10月22日: 8人逮捕
PAC:

  • 1人負傷
  • 60人逮捕
  • 数人が拷問

闘争は続く:

  • 1人死亡
  • 5人逮捕

労働者自治運動:

  • 3人死亡
  • 200人追放
新秩序: 3人逮捕
武装革命中核: 53人逮捕
第三の位置: 42人起訴
冷戦

鉛の時代(なまりのじだい、イタリア語: Anni di piombo英語: Years of Lead)とは、1960年代の終わりから1980年代にかけて続いた、相次ぐテロリズムによるイタリアの社会的・政治的混乱の時代[1]に対する名称である。

名称

イタリアの歴史

この記事はシリーズの一部です。

イタリア ポータル

テロに使用された鉛玉[2]、そして同時代のドイツを舞台としたマルガレーテ・フォン・トロッタ監督による1981年公開の映画「鉛の時代(映画)ドイツ語版」に由来する[3]

またこの名称は、アメリカソビエト連邦による冷戦時代に各国で行われた、緊張戦略イタリア語版のようなさまざまなテロ活動やコンドル作戦のような独裁政権への支援を包含した、より広範な国際的な文脈においても使用される。

概要

イタリア国内における社会主義勢力・新左翼運動の台頭と、それを阻止するアメリカやイタリア政府などの西側勢力による抗争という構図であり、冷戦の一環として発生した。

「鉛の時代」の始まりは諸説あるが、1968年の抗議運動イタリア語版と1969年の「熱い秋英語版」、もしくは1969年のフォンターナ広場爆破事件とされることが多い。

この時代は、「闘争は続く」「最前線(Prima Linea)」「赤い旅団(Brigate Rosse)」に代表される暴力的な新左翼運動学生運動、そしてそれに対抗する「武装革命中核(NAR)」「新秩序(Ordine Nuovo)」「国民前衛(Avanguardia Nazionale)」等のネオ・ファシストの活動により定義付けられる。とりわけ後者は、イタリア政府の支援やNATOによるグラディオ作戦の下、大規模な虐殺を行った。それは1968 年から1974 年の間だけでも140 件にも及ぶ。以下は特に著名な事件である。

このような介入は反共組織であるロッジP2を介して行われていた。この事は、後にP2事件として世に広まることとなり、各国情報機関やイタリア政界、軍関係者の関係が明らかとなっている。

また、「赤い旅団」による1978年のアルド・モーロ誘拐殺人事件イタリア語版英語版は「鉛の時代」を象徴する事件の一つであり、同組織は以後テロ組織として名を轟かせることとなった。

中心人物

イタリア政府
極左主義者
  • 赤い旅団
    • レナート・クルシオ
    • マルゲリータ・カーゴル 
    • アルベルト・フランチェスキーニ
  • 最前線
    • マルコ・ドナト=カッティン
  • 10月22日
    • マリオ・ロッシ
  • イタリア共産党
    • ジャンジャコモ・フェルトリネッリ 
  • PAC
    • チェーザレ・バティスティ
  • 闘争は続く
    • アドリアーノ・ソフリ
  • 労働者の力 / 労働者自治運動
    • フランコ・ピペルノ
    • アントニオ・ネグリ
    • オレステ・スカルゾーネ
    • ランフランコ・ペース
    • エミリオ・ヴェシェ
極右主義者
  • 新秩序
    • フランコ・フリーダ
    • ピエルイジ・コンクテッリ
    • マリオ・トゥティ
  • 国民前衛
    • ステファノ・デッレ・キアイエ
    • アドリアーノ・ティルガー
    • ヴィンチェンツォ・ヴィンチグエッラ
  • 黒の教団
    • ファブリツィオ・ザーニ
  • 武装革命中核
    • ジュゼッペ・ヴァレリオ・フィオラヴァンティ
    • アレッサンドロ・アリブランディ 
    • マッシモ・カルミナティ
    • フランコ・アンセルミ 
  • 第三の位置
  • ロッジP2

脚注

  1. ^ Il filo rosso e il filo nero degli anni di piombo”. 2023年10月28日閲覧。
  2. ^ “Italy's history of terror” (英語). (2004年1月6日). http://news.bbc.co.uk/2/hi/3372239.stm 2023年10月29日閲覧。 
  3. ^ Giuliano Boraso「Yours of Lead」”. 2023年10月31日閲覧。



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