鉄道車両におけるノックダウン生産
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/08 10:13 UTC 版)
「ノックダウン生産」の記事における「鉄道車両におけるノックダウン生産」の解説
日本においては国鉄分割民営化後、JR九州を皮切りに社内技術力の向上を目的として、メーカー発注分以外に自社工場でのノックダウン生産が行われるようになった。具体的には、JR九州783系電車(小倉工場にて実施)、JR東日本205系電車などがある。 近年の例では、車体を車両メーカーで製造し、完成した構体をいったん別の車両メーカー及び納入先の工場まで運んで、艤装を行って完成させる。 過去の例としては、西鉄2000形電車の一部編成(川崎重工業製扱いだが製造全般を武庫川車両工業で実施)JR北海道キハ261系気動車(車体の製造を川崎重工業、艤装を苗穂工場または新潟トランシスで実施)、JR西日本207系電車の一部編成(車体製造を川崎重工業、艤装を後藤工業が実施)JR西日本(元北越急行)683系8000番台電車(車体製造を川崎重工業、艤装を新潟トランシスで実施)、阪急9000系電車の一部編成と同9300系電車の9308F(車体製造を日立製作所笠戸事業所、艤装をアルナ車両が実施)、阪神5550系電車(車体製造をアルナ車両、艤装を阪神車両メンテナンスが実施)、一畑電車7000系電車(車体製造を近畿車輛、艤装を後藤工業が実施)などがある。また、電装品では名鉄2代目3500系電車・3代目3700系電車(東洋電機製造が開発したVVVFインバータ装置を東芝や三菱電機でライセンス生産)の事例がある。 中国高速鉄道CRH2型電車の例では、端緒となる3編成は川崎重工業車両カンパニー製の完成車、次の6編成が中国側のノックダウン、その後は一部の高度な部品を除き、中国側のライセンス製造となっている。 イギリス都市間高速鉄道計画におけるクラス800は、最初の12編成が日立製作所笠戸事業所での完成車だが、次の110編成は日立製作所ニュートン・エイクリフ工場で艤装を実施している。 完成車や部品の調達に入札制度が用いられている公営交通事業者が所有する車両の場合は、車体や電装品などを最初に契約したメーカーの仕様に基づき、他社にてライセンス生産(OEM生産)を行うケースがある。制御装置での例としては、大阪市交通局新20系電車と同66系電車(日立製作所が開発したVVVFインバータ装置を東芝や三菱電機でライセンス生産)、東京都交通局5300形電車と同6300形電車(三菱電機が開発したVVVFインバータ装置を東芝や日立製作所、東洋電機製造でライセンス生産している事例がある。また、車体の例としては、東京都交通局6300形電車が川崎重工製車体の一部を近畿車輛で製造した事例がある。
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