鉄道車両「ビスタカー」
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/27 04:04 UTC 版)
「ビスタカー」の記事における「鉄道車両「ビスタカー」」の解説
1958年に試作された近鉄10000系電車以降、主として特別急行列車・団体列車に用いられている。当初は大阪線・山田線で使用されていたが、2020年現在では名古屋線の善光寺カーブの解消による21m車入線可能化と標準軌化、奈良・京都・橿原線の車両限界拡大と600Vから1500Vへの昇圧により、狭軌線である南大阪・吉野線以外の標準軌各線で使用されている。 ビスタカーは当時、近鉄と競合関係にあった国鉄・関西本線の準急列車が健闘していることに焦りを覚えた当時の近鉄社長・佐伯勇が、車両部に所属していた部下に発した号令が発端となり開発が始まったとされる。部下には藤縄郁三や影山光一、赤尾公之、近藤恒夫らがいて、これら社員の日本国外出張経験から2階建車両の発想が生まれた。 ビスタカーは長らく近鉄の象徴的存在であったが、1980年代末から2000年代にかけては、近鉄の車両規格では車内空間の余裕に乏しく、また居住性に難があったことから、21000系「アーバンライナー」登場以降は後続の新型車両に主役の地位を譲った格好となっていた(「アーバンライナー」で2階建車両を導入しなかった経緯については近鉄21000系電車を参照)。 しかし、ビスタカー使用列車には「V」マークが時刻表に表記されるなど、別格の扱いを受けており、50000系「しまかぜ」の登場によって、2階建特急車両が近鉄特急のフラッグシップとして返り咲くこととなった。
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