金属に対する反応
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 03:30 UTC 版)
金属と反応させた場合の挙動は、金属の種類のほか、硫酸の濃度と温度に依存する。例えば濃度と温度がいずれも高い熱濃硫酸では、酸化力が高くなる。 反応生成物も変化に富む。一般には、水素 (H2)、硫化水素 (H2S)、硫黄 (S)、二酸化硫黄 (SO2)、金属の硫化物、硫酸塩が生成する。 希硫酸は水素よりイオン化傾向の大きな金属と反応し水素を発生させる。ただし、鉛は表面に不溶性の硫酸鉛を生じ反応が進行しない。スズ、ニッケルなどとの反応も極めて遅い。亜鉛との反応は実験室で手軽に水素ガスを発生させる方法として用いられる。 H 2 SO 4 + Zn ⟶ ZnSO 4 + H 2 {\displaystyle {\ce {H2SO4 + Zn -> ZnSO4 + H2}}} 濃硫酸を加熱したものを熱濃硫酸(ねつのうりゅうさん)という。290℃以上では濃硫酸は水と三酸化硫黄に分解し、三酸化硫黄は酸化力を持ち、これ以下の温度でも平衡混合物として三酸化硫黄が存在する。そのため熱濃硫酸には強い酸化力があり、酸化剤として用いられる。イオン化傾向の小さい銅や銀などとも反応する。また炭素、硫黄などの非金属とも反応する。例えば熱濃硫酸と銀との化学反応式は以下のようになる。 3 H 2 SO 4 + 2 Ag → Δ 2 AgHSO 4 + SO 2 + 2 H 2 O {\displaystyle {\ce {3H2SO4 + 2Ag ->[\Delta] 2AgHSO4 + SO2 + 2H2O}}}
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金属に対する反応
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/05 08:11 UTC 版)
希塩酸とは異なり、酸化作用により希硝酸であっても水素よりイオン化傾向の小さい金属を溶かすことが可能である。白金、金を溶かすことはできないが、濃硝酸と濃塩酸を混ぜて王水を作ることにより、これらの金属も溶かすことが可能になる。また、アルミニウム、クロムおよび鉄などは濃硝酸中で表面に酸化皮膜を形成し不動態が形成されるため反応が進行しない。 極めて薄い硝酸水溶液の場合、マグネシウムは初期において水素ガスを発生する。 Mg + 2 HNO 3 ⟶ Mg ( NO 3 ) 2 + H 2 {\displaystyle {\ce {Mg + 2HNO3 -> Mg(NO3)2 + H2}}} しかし、希硝酸中であっても亜鉛などの比較的イオン化傾向の大きな金属は硝酸イオンをアンモニウムイオンまで還元する。 4 Zn + 10 HNO 3 ⟶ 4 Zn ( NO 3 ) 2 + NH 4 NO 3 + 3 H 2 O {\displaystyle {\ce {4Zn + 10HNO3 -> 4Zn(NO3)2 + NH4NO3 + 3H2O}}} また希硝酸はよりイオン化傾向の小さな金属の場合は主に一酸化窒素を発生する。 3 Cu + 8 HNO 3 ⟶ 3 Cu ( NO 3 ) 2 + 2 NO + 4 H 2 O {\displaystyle {\ce {3Cu + 8HNO3 -> 3Cu(NO3)2 + 2NO + 4H2O}}} 濃硝酸では二酸化窒素の発生が主反応となり、発熱により反応は次第に激しくなる。 Cu + 4 HNO 3 ⟶ Cu ( NO 3 ) 2 + 2 NO 2 + 2 H 2 O {\displaystyle {\ce {Cu + 4HNO3 -> Cu(NO3)2 + 2NO2 + 2H2O}}}
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