遺産、栄誉
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/21 16:08 UTC 版)
「ヴァイオラ・デズモンド」の記事における「遺産、栄誉」の解説
事件当時コーンウォリス・ストリート・バプティスト教会の牧師でノバスコシア有色人種地位向上協会 (NSAACP) の中心的人物であったオリバー名誉博士はデズモンドの遺産について、後に次のように述べている。 ... これは我々にとって意味のあることだった。後にも先にも、権利を獲得するためにあれ程果敢な努力が行われたことはない。人々は一心同体となって立ち上がり、声をあげた。この前向きな姿勢が州全体の黒人コミュニティの信望を向上した。これ以降に起きた前向きな行動の多くは、この出来事が基礎になったものだと私は確信している ... — オリバー名誉博士、15年後に事件を振り返って 人種差別に立ち向かい、アフリカ系アメリカ人公民権運動の昂揚に貢献したという点でローザ・パークスと比べられることの多いデズモンドであるが、二人には著しい相違点がある。デズモンドの住んでいた場所は、パークスとは法制度が大きく異なっていた。アメリカ合衆国とは違って、カナダにはジム・クロウ法に相当する法律が存在しなかったからである。パークスがバスの前方座席に座ろうとしたのは、公共輸送機関における人種隔離政策を認めていたジム・クロウ法に対する市民的不服従に当たる行為であった。これに対し、デズモンドの場合は州法によって認められてはいない、民間劇場の経営者による人種隔離に対する抗議であった。 2000年には、デズモンド他のカナダ人人権活動家を取り上げたドキュメンタリー映像 Journey to Justice (仮題: 正義への道のり) がカナダ国立映画制作庁(英語版)によって制作された。また、デズモンドを主題とするドキュメンタリー映像 Long Road to Justice: The Viola Desmond Story (仮題: 正義への長い道のり - ヴァイオラ・デズモンド物語) も制作された。 ケープ・ブレトン大学(英語版)はヴァイオラ・デズモンドとワンダ・ロブソン (ヴァイオラの妹) の名を冠する奨学金キャンペーンを展開し、デズモンド社会正義委員会 を創立した。 妹のワンダ・ロブソンは一家の人権活動と姉との思い出について語った Sister to Courage を著した。また、子ども向けには Viola Desmond Won't Be Budged (仮題: ヴァイオラ・デズモンドは負けない) がジョディ・ニャーシャ・ワーナーによって著された。この他、歌手の フェイス・ノーラン(英語版) がデズモンドを主題とした歌を作曲している。 2012年には、カナダ郵便公社の記念切手の絵柄にデズモンドの肖像画が採用された。 2016年2月2日には、ヒストリカ・カナダ(英語版)が60秒でカナダのさまざまな遺産を紹介する動画 ヘリテッジ・ミニット(英語版) でヴァイオラ・デズモンドを取り上げた。この動画は2015年6月にアルバータ州のハイリバーをロケ地として撮影されたもので、キャンディス・マクルアー(英語版)がヴァイオラ・デズモンドの役を演じた。ヘリテッジ・ミニットの主役として有色人種の女性が登場するのは、これが初めてであった。 2016年7月7日には、新たにハリファックス港に就航するフェリーに「ヴァイオラ・デズモンド号」の名が付けられた。 2016年12月8日、カナダ人女性として初めて10ドル紙幣(英語版)のデザインに肖像画が採用されることが発表された。最終候補として残った5人からの選出であった。この紙幣は2018年の登場が予定されている。 2018年7月6日、カナダのGoogleはデズモンドの生誕104年を記念するロゴを公開した。
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