遠江支社
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/17 15:27 UTC 版)
このうち、遠江電気は才賀藤吉が中心となって静岡県内から有志を募り、1910年6月に認可を得て起業した会社である。設立は同年10月23日付。本社は静岡県小笠郡掛川町掛川で、資本金は10万円。才賀や野田儀一郎(堺市)らが取締役を務める。吸入ガス機関による発電所を電源として掛川町その他に2,000灯の電灯を供給する予定であったが、開業を前に松阪水力電気遠江支社に事業計画が引き継がれた。 逓信省の資料によると、遠江支社は1911年6月28日に開業した。同年7月には開業式が挙行されている。電源として出力75キロワットのガス力発電所が建設されたが、翌1912年(明治45年)7月、大井川に水力発電所を建設した日英水電が掛川を通って浜松へと送電線を建設するのに伴い、同社から電力供給を受ける契約を締結した。受電は1913年11月1日より開始。受電(水力発電)転換によるコスト低下によって電気料金引き下げが可能となり、この地域での電灯普及に繋がった。 1918年(大正7年)8月5日、松阪水力電気は氷見支社に続き遠江支社の事業を27万5000円にて「日本電力」という事業者(1919年設立の大手電力会社日本電力とは別)へと譲渡すると決議し、11月に事業を譲渡した。遠江支社の事業は1920年10月にさらに遠江電気の手に渡っている。この2代目遠江電気は静岡市郊外、安倍郡大里村(静岡電力所在地)に本社を置く会社で、静岡電力専務の熊澤一衛が社長を務める。翌1921年(大正10年)8月、遠江電気はその静岡電力へと合併された。
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