運輸省案と3線5区間の着工
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/05 09:05 UTC 版)
「整備新幹線」の記事における「運輸省案と3線5区間の着工」の解説
1988年、運輸省(当時)が、東北・北陸・九州(鹿児島ルート)の3線について、建設費を削減しつつスピードアップを図るため、ミニ新幹線やスーパー特急方式を組み合わせた、いわゆる「運輸省案」を発表。 着工区間の沿線自治体や政治家からは、この案を「ウナギ(フル規格)を注文したらアナゴやドジョウ(ミニ新幹線やスーパー特急方式)が出てきた」と揶揄されるほど不評であったが、この機会を逃すと次回の着工がいつになるか不透明であったことから、やむなくこれを受け入れ、同年、政府・与党申し合わせにより着工順位が決定された。 1.北陸新幹線:高崎駅 - 長野駅間(高崎駅 - 軽井沢駅間フル規格、軽井沢駅 - 長野駅間はミニ新幹線。ただし、長野オリンピックの開催が決定した場合、フル規格への変更も考慮)→1997年フル規格で開業。 1.北陸新幹線:高岡駅 - 金沢駅間(スーパー特急方式)→1992年8月、石動駅 - 金沢駅間着工。→2015年フル規格で開業。 2.東北新幹線:盛岡駅 - 青森駅間(沼宮内駅(現・いわて沼宮内駅) - 八戸駅間フル規格、前後の区間はミニ新幹線)→盛岡駅 - 八戸駅間は2002年、八戸駅 - 青森駅間は2010年にフル規格で開業。 3.九州新幹線(鹿児島ルート):八代駅 - 西鹿児島駅(現・鹿児島中央駅)間(スーパー特急方式)→起点を新八代駅に変更の上、2004年フル規格で開業。 4.北陸新幹線:糸魚川駅 - 魚津駅間(スーパー特急方式)→1993年10月に着工したが、新黒部駅(仮称。現・黒部宇奈月温泉駅) - 魚津駅間は在来線への取り付け線のため工事は行われず。 しかし新幹線の建設財源が限られていたことから、優先順位1位でフル規格区間であった高崎駅 - 軽井沢駅間のみ翌1989年に着工。その他の区間は、既存新幹線譲渡収入(旧スキームの項を参照)が新幹線建設の特定財源となる1991年以降の着工となった。 1991年、イギリス・バーミンガムで開かれた国際オリンピック委員会 (IOC) の総会にて、長野オリンピックの開催が決定したことから、軽井沢駅 - 長野駅間がフル規格に変更された。一方、同順位だった高岡駅 - 金沢駅間は、富山県内の沿線自治体が並行在来線となる北陸本線石動駅 - 高岡駅間の経営分離に反対したことから、新高岡駅 - 金沢駅間の基本ルートを変更、着工区間は石動駅 - 金沢駅間に短縮された。 1994年、5年毎に行うとされた計画見直しで新規着工の機運が高まるが、財源が壁となり、ミニ新幹線で建設するとしていた東北新幹線の盛岡駅 - 沼宮内駅間をフル規格に変更の上、八戸駅 - 青森駅間の着工を延期した。
※この「運輸省案と3線5区間の着工」の解説は、「整備新幹線」の解説の一部です。
「運輸省案と3線5区間の着工」を含む「整備新幹線」の記事については、「整備新幹線」の概要を参照ください。
- 運輸省案と3線5区間の着工のページへのリンク