連合軍兵士による性的暴行などの虐待
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 06:17 UTC 版)
「沖縄戦」の記事における「連合軍兵士による性的暴行などの虐待」の解説
収容所およびアメリカ軍の占領地域では、アメリカ軍兵士による住民への暴行や強盗行為が多発した。無抵抗の住民を背後から射殺するなどの蛮行が報告されており、住民女性への拉致暴行強姦も多数証言されている。戦争の終結後も暴行は続き、例えば「南部戦線の戦闘が終結してからは特に米兵たちは横暴になり、昼夜を分かたず強姦事件が頻発していた。収容所では米兵が襲ってくると、酸素ボンベの鐘を叩いて女性たちを避難させるさわぎが続いた」とも「戦時中も戦局が追い詰められた状態になると、アメリカの軍隊そのものが集団で村の女性達を襲ったといいます。なかには夫の目の前で犯された女性もいます」ともいわれる。アメリカ軍兵士により強姦された女性数を10,000人と推定する見解もある。ニューヨーク・タイムズの記事によれば、強姦はあまりに多発したため、65歳以上(2000年時点)の沖縄の住民は誰しもこの連合軍による強姦について知っているか、あるいは聞いたことがあるという。 アメリカ軍の報告書においても、収容所にいる女性に対し劣情を抱いた多数のアメリカ兵が周囲をうろつき中々立ち去らない為、警備する憲兵(MP)の数が足りなくなり、やむなく「強姦事件と病気予防のため」に軍の法務官に、収容所で発見された兵士を憲兵隊長に引き渡してよいという権限を与えている。 沖縄戦時中にアメリカ兵が沖縄の住民女性を強姦し、軍法会議で有罪となりながら、戦後アメリカ海軍省で判決が破棄されていた。軍法会議で禁錮9年、不名誉除隊の判決が出たが、海軍法務総監が10月に有罪判決を破棄するよう勧告。11月に海軍長官が判決を破棄し、被告を釈放して軍務に復帰させるよう命じた。勧告文では、強姦犯罪を「女性が能力の限りを尽くして抵抗したとみられるものでなければならない」と定義。「すごく脅えて叫ぶことができなかった」と証言した被害女性に対し、最大限の抵抗をしなかった、叫び声を上げなかった、などを理由に被告を無罪とした。
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