通貨発行益とは? わかりやすく解説

シニョリッジ

(通貨発行益 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/18 02:46 UTC 版)

シニョリッジ: seigniorage, seignorage)、または通貨発行益(つうかはっこうえき)とは、貨幣発行益、貨幣発行特権のことをいう経済用語。「セイニアーリッジ」「シニョレッジ」といった表記もされる。政府・中央銀行が発行する通貨紙幣から、その製造コストを控除した分の発行利益のことである[1]


注釈

  1. ^ 日本では日本銀行の毎期剰余金は法定準備金、配当を除いた額を国庫に納付することとなっている(日本銀行法第53条)。
  2. ^ 民間が保有する貨幣や債券の実質的な価値が減じる一方で、財政赤字を抱える政府等の債務は目減りする。これにより、実質的に民間から政府への所得移転が起こる。このことからインフレと呼ぶ。
  3. ^ 財政法 第五条 すべて、公債の発行については、日本銀行にこれを引き受けさせ、又、借入金の借入については、日本銀行からこれを借り入れてはならない。但し、特別の事由がある場合において、国会の議決を経た金額の範囲内では、この限りでない。
  4. ^ ケインズによれば「取引的動機」「予備的動機」「投機的動機」の3つ、新古典派によれば「取引的動機」「予備的動機」の2つ。

出典

  1. ^ 田中秀臣 『経済論戦の読み方』 講談社〈講談社新書〉、2004年、77頁。
  2. ^ 田中秀臣・野口旭・若田部昌澄編 『エコノミスト・ミシュラン』 太田出版、2003年、81頁。
  3. ^ a b 小栗誠治、2006年、「セントラル・バンキングとシーニョレッジ」、『滋賀大学経済学部研究年報』(13)、滋賀大学経済学部、ISSN 1341-1608 pp. pp. 19-35
  4. ^ デビッド・ローマー 上級マクロ経済学[要文献特定詳細情報]
  5. ^ a b 国宗浩三 著「通貨発行益(シニョリッジ)と途上国財政」、柏原千英 編『『開発途上国と財政問題』調査研究報告書アジア経済研究所、2008年http://www.ide.go.jp/library/Japanese/Publish/Download/Report/pdf/2007_04_24_09.pdf 


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通貨発行益

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 19:00 UTC 版)

ベーシックインカム」の記事における「通貨発行益」の解説

また、貨幣発行益財源としベーシックインカム実施せよとの主張もある。これは1920年代のC.H.ダグラスによる「社会信用論」を起源とし、現在の日本では森永卓郎関曠野白崎一裕などが提唱している。この主張は文字通り信用の裏づけなく政府紙幣発行し所得給付充てよとするものである貨幣発行益財源としてベーシックインカム実施する場合新たな増税必要ないという考えであり、また同時にインフレーションが起こるという意見である(インフレーション税)。インフレーション税の場合わざわざ政府紙幣発行する要はなく、恒常的に長期国債累積的に発行し、それを中央銀行引き受けさせても良い国宗浩三によれば、通貨発行益の増大行政府はかったばあい、誘惑負けて巨額貨幣発行を行うことの経済的帰結は明らかであり、インフレ発生インフレ率高騰、それに伴う経済社会混乱である。またインフレ貨幣需要をへらすため通貨保有による「課税」を逃れるため)、結局は通貨発行益を減らすことになるとする。 一方で、とくに開発途上など持続的な経済成長ともなく経済においては経済成長に伴う貨幣需要見合っただけの通貨追加的供給することにおいては通貨発行インフレ要因はならず税源としての通貨発行益が期待できるとする。経済にはタダ飯(フリーランチ)は無いのが普通であるが、経済成長に伴う通貨発行益は数少ない例外であり、通貨発行益を主な財源としてあてにするのは大きな間違いであるが、経済成長が続くかぎり(とくに発展途上国にとっては)安定的な補助的財源としては優秀なものだとする。 中国の経済構造はこの点で特筆すべきものがあり、中国政府財政における通貨発行益は非常に高くGDP比5%を超えている。しかしインフレ税に頼る比率は約3割にすぎず、7割は成長にともなう果実としての通貨発行益である。ただしこれが今後も続くかどうかと言う点については慎重であるべきで、経済システム成熟するにしたがって貨幣選好低下し相対的な貨幣発行益減少する可能性がある。 森永卓郎によると赤ちゃんから老人まで全国民一律月額7万円給付する財源100円くいかかるが、通貨発行益が450兆円あるので20年くらいは一切増税せずに給付できると試算している。

※この「通貨発行益」の解説は、「ベーシックインカム」の解説の一部です。
「通貨発行益」を含む「ベーシックインカム」の記事については、「ベーシックインカム」の概要を参照ください。

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