通貨記号 (Unicodeのブロック)とは? わかりやすく解説

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通貨記号 (Unicodeのブロック)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/11/21 09:29 UTC 版)

通貨記号 (Unicodeのブロック)
Currency Symbols
範囲 U+20A0..U+20CF
(48 個の符号位置)
基本多言語面
用字 Common
主な言語・文字体系
割当済 33 個の符号位置
未使用 15 個の保留
Unicodeのバージョン履歴
1.0.0 11 (+11)
2.0 12 (+1)
2.1 13 (+1)
3.0 16 (+3)
3.2 18 (+2)
4.1 22 (+4)
5.2 25 (+3)
6.0 26 (+1)
6.2 27 (+1)
7.0 30 (+3)
8.0 31 (+1)
10.0 32 (+1)
14.0 33 (+1)
公式ページ
コード表 ∣ ウェブページ
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通貨記号(つうかきごう、英語: Currency Symbols)は、Unicodeの75個目のブロック

解説

さまざまな国における通貨単位を表す通貨記号を収録している。

多数の通貨記号が他のブロックにもあり、一部の通貨記号の全角バージョンは、半角・全角形ブロックにある。例えば0024 $ dollar sign基本ラテン文字ブロックに、00A2 ¢ cent sign00A3 £ pound sign00A5 ¥ yen signラテン1補助ブロックにある[1]。詳細は「本ブロック以外のブロックに含まれる通貨記号」の節を参照。

Unicodeのバージョン1.0においても「通貨記号(Currency Symbols)」というブロック名で制定されていた[2]

収録文字

コード 文字 文字名(英語) 用例・説明
通貨記号
U+20A0 EURO-CURRENCY SIGN ユーロの前身にあたる 欧州通貨単位(ECU)の通貨記号。実際にはあまり普及せず[1]、現在は使われていない。
U+20A1 COLON SIGN コスタリカ・コロン及びサルバドール・コロンの通貨記号。
U+20A2 CRUZEIRO SIGN かつてブラジルで使われていたブラジル・クルゼイロの通貨記号。
U+20A3 FRENCH FRANC SIGN かつてフランスで使われていたフランス・フランの通貨記号。

Unicodeのバージョン1.0の時点では"Fr"を合字にしたような字形も異体字として許容されていた[2]

U+20A4 LIRA SIGN かつてイタリアサンマリノバチカン市国で使われていた通貨記号。ただしこの記号はあまり普及していなかった[1]

現在マルタ・リラの表記に使われることもある。

リラの通貨記号には00A3 £ POUND SIGNを使うことがより推奨されている[1]

U+20A5 MILL SIGN ミルの通貨記号。アメリカ合衆国マルタ補助単位として用いられる。

1₥はアメリカ合衆国では1/10セント、マルタでは1/1000マルタ・リラである。

U+20A6 NAIRA SIGN ナイジェリア・ナイラの通貨記号。
U+20A7 PESETA SIGN かつてスペイン及びアンドラで使われていたスペイン・ペセタの通貨記号。

Unicodeのバージョン1.0の時点ではU+20B1 ₱ PESO SIGNと同形の記号も同じ符号位置に統一されていた[2]

U+20A8 RUPEE SIGN ネパール・ルピースリランカ・ルピーパキスタン・ルピーモーリシャス・ルピーの通貨記号。

かつてはインド・ルピーの表記にも用いられていたが、非公式であり現在は使われていない[1]。現在のインドでは代わりにU+20B9 ₹ INDIAN RUPEE SIGNを用いる。

U+20A9 WON SIGN 韓国・ウォン及び北朝鮮・ウォンの通貨記号。

グリフには1本または2本の横棒があるが、韓国及び北朝鮮で最も一般的な形は1本のみである[1]

U+20AA NEW SHEQEL SIGN イスラエル・新シェケルの通貨記号。

ヘブライ文字שחの合字に由来する。

U+20AB DONG SIGN ベトナム・ドンの通貨記号。
U+20AC EURO SIGN ユーロの通貨記号。EU(欧州連合)で用いられる[1]
U+20AD KIP SIGN ラオス・キープの通貨記号。
U+20AE TUGRIK SIGN モンゴル・トゥグルグの通貨記号。

tugrug、tugric、tugrog、togrog、tögrög とも音訳される[1]

U+20AF DRACHMA SIGN かつてギリシャで使われていたギリシア・ドラクマの通貨記号。
U+20B0 GERMAN PENNY SIGN かつてドイツで使われていたペニヒの通貨記号。
U+20B1 PESO SIGN フィリピン・ペソの通貨記号。

現存する、または廃止されたラテンアメリカのペソ通貨(メキシコチリコロンビアなど)はドル記号(0024 $ dollar sign)を使用する[1]

かつてはスペイン・ペセタも俗にこの記号で書かれたが、ペソ記号は横棒が1本または2本のバリエーションがある一方でペセタには横棒が1本のもののみとなっていた[3]

U+20B2 GUARANI SIGN パラグアイ・グアラニーの通貨記号。

多くの場合、G. または Gs. で表される[1]

U+20B3 AUSTRAL SIGN かつてアルゼンチンで使われていたアルゼンチン・アウストラルの通貨記号。
U+20B4 HRYVNIA SIGN ウクライナ・フリヴニャの通貨記号。

小文字のキリル文字г筆記体に由来する。

U+20B5 CEDI SIGN ガーナ・セディの通貨記号。

グリフは「Ȼ」のように見えるか、上半分だけを通る短い垂直線が付いたCのように見えることもある[1]

U+20B6 LIVRE TOURNOIS SIGN 中世フランス(13ー18世紀)[1]において用いられたトゥール・ポンド英語版の通貨記号。
U+20B7 SPESMILO SIGN エスペラント運動において用いられたスペスミーロ英語版の通貨記号[1]

現在実際にこの通貨を使用している国は存在しない。

U+20B8 TENGE SIGN カザフスタン・テンゲの通貨記号。
U+20B9 INDIAN RUPEE SIGN インド・ルピーの通貨記号。

デーヴァナーガリー文字の字母ra(U+0930 र DEVANAGARI LETTER RA)に由来する。

U+20BA TURKISH LIRA SIGN トルコ・リラの通貨記号。
U+20BB NORDIC MARK SIGN 17ー18世紀ごろにデンマーク及びノルウェーで使用されていたマルクの通貨記号[1][4]

なお、かつてのドイツ・マルクにはU+2133 ℳ SCRIPT CAPITAL Mが用いられる。

U+20BC MANAT SIGN アゼルバイジャン・マナトの通貨記号。
U+20BD RUBLE SIGN ロシア・ルーブルの通貨記号。
U+20BE LARI SIGN ジョージア・ラリの通貨記号。

ジョージア文字の字母las(U+10DA GEORGIAN LETTER LAS)に由来する。

U+20BF BITCOIN SIGN 仮想通貨ビットコインの通貨記号。
U+20C0 SOM SIGN キルギス・ソムの通貨記号。

小分類

このブロックの小分類は「通貨記号」(Currency symbols)の1つのみとなっている[1]

通貨記号(Currency symbols

この小分類にはさまざまな国の通貨記号が収録されている。

本ブロック以外のブロックに含まれる通貨記号の一覧

Unicodeにおいて通貨記号は本ブロック以外のブロックにも含まれている。本節では本ブロック以外に存在する通貨記号の一覧を示す。

コード 文字 所属ブロック 文字名(英語) 用例・説明
U+0024 $ 基本ラテン文字 DOLLAR SIGN アメリカ・ドル、カナダ・ドルオーストラリア・ドルニュージーランド・ドル香港・ドルマカオ・パタカニュー台湾ドルシンガポール・ドルアルゼンチン・ペソチリ・ペソコロンビア・ペソキューバ・ペソメキシコ・ペソブラジル・レアルなどの通貨記号。
U+00A2 ¢ ラテン1補助 CENT SIGN セント。アメリカ・ドルやメキシコ・ペソの1/100の単位を表す。
U+00A3 £ ラテン1補助 POUND SIGN イギリス・ポンドの通貨記号。
U+00A4 ¤ ラテン1補助 CURRENCY SIGN 国際通貨記号。正しい記号が使用できない場合などに代替表記として用いられる記号。
U+00A5 ¥ ラテン1補助 YEN SIGN 日本円及び中国元の通貨記号。
U+0192 ƒ ラテン文字拡張B LATIN SMALL LETTER F WITH HOOK アルバ・フロリン及びアンティル・ギルダーの通貨記号。

かつてはオランダギルダーにも用いられた。

U+058F ֏ アルメニア文字 ARMENIAN DRAM SIGN アルメニア・ドラムの通貨記号。
U+060B ؋ アラビア文字 AFGHANI SIGN アフガニスタン・アフガニの通貨記号。
U+07FE ߾ ンコ文字 NKO DOROME SIGN
U+07FF ߿ ンコ文字 NKO TAMAN SIGN
U+09F2 ベンガル文字 BENGALI RUPEE MARK ベンガル文字におけるインド・ルピーの通貨記号。
U+09F3 ベンガル文字 BENGALI RUPEE SIGN バングラデシュ・タカの通貨記号。
U+0AF1 グジャラート文字 GUJARATI RUPEE SIGN グジャラート文字におけるインド・ルピーの通貨記号。
U+0BF9 タミル文字 TAMIL RUPEE SIGN タミル文字におけるインド・ルピー及びスリランカ・ルピーの通貨記号。
U+0CB0 カンナダ文字 KANNADA RUPEE SIGN カンナダ文字におけるインド・ルピーの通貨記号。
U+0DD4 රු シンハラ文字 SINHALA RUPEE SIGN シンハラ文字におけるスリランカ・ルピーの通貨記号。
U+0E3F ฿ タイ文字 THAI CURRENCY SYMBOL BAHT タイ・バーツの通貨記号。
U+17DB クメール文字 KHMER CURRENCY SYMBOL RIEL カンボジア・リエルの通貨記号。
U+2133 文字様記号 SCRIPT CAPITAL M 1875年 – 1923年の間ドイツ帝国で用いられていた金マルクの通貨記号。
U+5143 CJK統合漢字 CJK UNIFIED IDEOGRAPH-133123 漢字における中国元の通貨記号。
U+5186 CJK統合漢字 CJK UNIFIED IDEOGRAPH-133232 漢字における日本円の通貨記号。
U+5706 CJK統合漢字 CJK UNIFIED IDEOGRAPH-139896 漢字(簡体字)における中国元の通貨記号。
U+5713 CJK統合漢字 CJK UNIFIED IDEOGRAPH-139921 漢字におけるマカオ・パタカ、香港ドル、ニュー台湾ドルの通貨記号。

繁体字表記の中国元や、旧字体表記の日本円、韓国ウォン、北朝鮮ウォンの表記にも用いられる。

U+A838 インド慣用数量記号 NORTH INDIC RUPEE MARK 主に北インドで共通して用いられるインド・ルピーの通貨記号。
U+FDFC アラビア表示形A RIAL SIGN イラン・リヤルの通貨記号。
U+10196 𐆖 古代記号 ROMAN DENARIUS SIGN 古代ローマで用いられていたデナリウスの通貨記号。
U+1E2FF 𞋿 ワンチョ文字 WANCHO NGUN SIGN

文字コード

通貨記号(Currency Symbols)[1]
Official Unicode Consortium code chart (PDF)
  0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 A B C D E F
U+20Ax
U+20Bx
U+20Cx
注釈
1.^バージョン16.0時点


履歴

以下の表に挙げられているUnicode関連のドキュメントには、このブロックの特定の文字を定義する目的とプロセスが記録されている。

バージョン コードポイント[a] 文字数 L2 ID ドキュメント
1.0 U+20A0..20AA 11
2.0 U+20AB 1
2.1 U+20AC 1
3.0 U+20AD 1 L2/98-061 Uma (6 February 1998), KIP SIGN - Laotian Currency Sign (英語)
U+20AE 1 L2/98-360 Japan (1998), Addition of Tugrik sign on ISO 10646 (英語)
U+20AF 1 L2/99-025 ELOT / Everson (20 January 1999), Addition of the DRACHMA SIGN to the UCS (英語)
3.2 U+20B0 1 L2/00-092 Unicode, Freytag (14 March 2000), Proposal to add the German Penny symbol Reference document L2/98-309 (英語)
U+20B1 1 L2/00-013 T.K. Sato (6 January 2000), Peso sign and Peseta sign (U-20A7) (英語)
4.1 U+20B2..20B3 2 L2/03-095 Michael Everson (4 March 2003), Proposal to encode the GUARANI SIGN and the AUSTRAL SIGN (英語)
U+20B4..20B5 2 L2/04-139 Michael Everson (23 April 2004), Proposal to encode the HRYVNIA SIGN and the CEDI SIGN [WG2-N2743] (英語)
5.2 U+20B6 1 L2/07-332 David R. Sewell (24 September 2007), Proposal to encode the Livre Tournois sign in the UCS (WG2 N3387) (英語)
U+20B7 1 L2/08-115 Michael Everson (7 March 2008), Proposal to encode the Esperanto spesmilo sign (WG2 N3390) (英語)
U+20B8 1 L2/08-116 Michael Everson (7 March 2008), Proposal to encode the Kazakh tenge sign (WG2 N3392) (英語)
6.0 U+20B9 1 L2/10-251 Rabin Deka (16 July 2010), Proposal to Encode India’s National Currency Symbol (英語)
6.2 U+20BA 1
7.0 U+20BB 1 L2/12-242 Nina Marie Evensen; Deborah Anderson (24 July 2012), Proposal for one historic currency character, MARK SIGN (英語)
U+20BC 1 L2/13-180 Karl Pentzlin (6 September 2013), Proposal to add the currency sign for the Azerbaijani Manat (WG2 N4445; replaces L2/12-047) (英語)
U+20BD 1 L2/13-235 Michael Everson (4 February 2013), Proposal to encode the RUBLE SIGN (WG2 N4512R2) (英語)
8.0 U+20BE 1 L2/14-161 Giorgi Shermazanashvili (21 July 2014), Adding Georgian Lari currency sign (英語)
10.0 U+20BF 1 L2/15-229 Ken Shirriff (3 October 2015), Proposal for addition of bitcoin sign (英語)
14.0 U+20C0 1 L2/20-261 Nat'l Bank of Kyrgyz Rep. (1 October 2020), Proposal to add the currency sign for the KYRGYZ SOM (英語)
  1. ^ 提案されたコードポイントと文字の名前は、最終決定と異なる場合がある。

出典

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o "The Unicode Standard, Version 15.1 - U20A0.pdf" (PDF). The Unicode Standard (英語). 2024年11月12日閲覧
  2. ^ a b c 3.8: Block-by-Block Charts”. The Unicode Standard. Unicode Consortium. 2024年11月12日閲覧。
  3. ^ T.K. Sato (2000年1月6日). “Peso sign and Peseta sign (U-20A7)” (英語). Unicode. 2024年11月13日閲覧。
  4. ^ Nina Marie Evensen; Deborah Anderson (2012年7月24日). “Proposal for one historic currency character, MARK SIGN” (英語). Unicode. 2024年11月12日閲覧。

関連項目




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