逃げ馬としての評価・人気
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/23 16:19 UTC 版)
「ツインターボ (競走馬)」の記事における「逃げ馬としての評価・人気」の解説
逃げ切り圧勝か、さもなければ失速惨敗というレース振りから、俗に「玉砕型」と呼ばれるタイプの逃げ馬の象徴的な存在となっており、2004年に日本中央競馬会の広報誌『優駿』が行った「個性派ホースベスト10」という企画において、1980-2000年代の逃げ馬部門で識者・読者双方の投票でいずれもサイレンススズカに次ぐ第2位に選ばれた。サイレンススズカは「強い逃げ馬」の筆頭として名を挙げられており、選者を務めた須田鷹雄は、識者投票の席上で事前に「サイレンススズカを選ぶ方向なのか、ツインターボを選ぶ方向なのか」という議論があったとしている。 この企画でツインターボの講評を担当した山河拓也は、「玉砕また玉砕。しかし、99回玉砕しても百回目には逃げ切るんじゃないか、と期待された」「観客の頬はどれも『いつ止まる?』と緩んでいた。そして失速後退の瞬間、彼の馬券を握っていた者も握っていない者も大声で笑った。悲壮感なき玉砕。こんな馬、他に誰がいるか。いない。ツインターボだけだ」と評した。また、競馬漫画家のよしだみほは自著の中で「あの大逃げが決まったときは本当に気持ちよかったし、逆につかまるときも良かったよね」「大きいところは勝ってないけど、こういう馬がいないと競馬は楽しくないよね。大好きな馬でした」と語っている。こうした人気は、日本中央競馬会が2000年に行った名馬選定企画「Dream Horses 2000」でファン投票により848票を集め、第91位に選ばれたところにも反映されており、GI(グレード制導入前の八大競走を含む)未勝利馬の100位以内選出は、ほかにステイゴールド(34位、企画実施後にGI勝利)とナイスネイチャ(71位)のみであった。 「Dream Horses 2000」の誌上講評会においては、作家の吉川良がツインターボの選出に絡めて「今の競馬をつまらなくしているのは、みんな同じような乗り方をする騎手にも責任があると思うんだ」として、画一的な騎乗の蔓延に苦言を呈した。なお、ツインターボが競走生活を通して逃げなかったのは、スタートで出遅れて最下位となった帝王賞(公営・大井)のみだった。このとき騎乗した武豊は「最初から逃げるつもりはなかった」という主旨の発言を行い、これに対してライターの加藤栄が、大逃げを見たいという主催者とファンの期待に背いたとして「武はまったくもってつまらない競馬をした」と批判。また、逃げなかったことで「生涯逃げ馬じゃなくなっちゃった。ツインターボの経歴に傷を付けた」と非難した。 同時期に活躍していた個性派逃げ馬にはメジロパーマーがいる。よしだみほの漫画『馬なり1ハロン劇場』の「なんでもアリ馬記念」では、「ハナを切るメジロパーマー、ケンカを売るツインターボ」というシーンが描かれている。
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