近大エコ出願
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2012年10月1日に近畿大学は、地球環境保護の観点から出願時における将来的な紙の願書の廃止を視野に置いた、地球環境に優しく(エコロジー)、受験生の経済的な負担も減らす(エコノミー)、「近大エコ出願」を2013年度の入学試験より実施すると発表した。 同学は2012年度の入試の際、13万部の願書セットを用意したが、これを積み上げると東京スカイツリー約3本分の高さに匹敵し、重量にすると約100トンになると言う。しかし、そのうち約3万部が使用されず、廃棄されることになった。同学では紙の出願の件数を減少させるべく、2008年よりインターネットを利用した出願方式を導入してきたが、受験生の「出願は紙の願書で」という意識の強さからか、2012年度までのインターネット出願の利用率はわずか数パーセントとなっていた。そのため、2013年度の入試よりインターネットを利用して出願した受験生に対して検定料を割り引き、受験生の経済的な負担を軽減することで、インターネット出願の利用率を一気に70%まで引き上げることを目標にし、本出願制度を実施することとした。この目標が達成されれば、次年度の入試より紙の願書を廃止し、完全ネット化を果たしたいとしていた。そして完全ネット出願化が実現することになれば、国内の大学として初の試みとなり、また全国の大学に波及すれば、地球環境保護へ多大なる貢献が出来る、とも表明した。 この出願制度の宣伝においては、“宣伝からエコを実現”するとして、2012年度の志願票の実物をポスター用紙として再利用した交通広告が制作され、天王寺駅・大阪駅・大阪難波駅などで掲示された。 その結果、同学でのネット出願件数は、2012年度の3,767件から82,030件まで大幅に増加し(21.8倍)、ネット出願率は全体で64.4%、後期入試では目標としていた70.0%(医学部のC方式を除く)となり、同学ではネット出願が十分に浸透してきたものと判断した。これを受けて2013年4月16日に同学は、翌年の2014年度入試より紙の願書を廃止し、完全にインターネットによる出願に移行することを決定した。出願の完全ネット化は全国の各大学で初の試みとなった(一部対象外の入試制度あり)。 なおネット環境がない志願者に対しては、コールセンターによる電話受付などの代替出願方法なども行うことで、全ての受験生に対し、入試におけるバリアフリーを目指して引き続き努力するとしている。 その後、同学の動きを受けて、東洋大学や中京大学など全国の各大学でも、2014年度入試からのネット出願制度への完全移行が進むことになった。加えて同学では、「エコ出願」の名称・ロゴを他大学へ無償で貸与するとしており、第1弾として桃山学院大学が「エコ出願」の使用承諾を得ることになった。
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